君じゃなきゃダメなんだ 13

シスターズからの挑戦状!

事なきを得ることができるのか!

司とつくしの困難よりはましだから~。

『慰めになってない』

あきら君がぼやいていそうです。

今回は葵目線からのお話です。

Pw申請のご連絡。

本日17時までに申請された方には返信終了してます。

返信が来てない方は(年齢の記載がしてない。携帯の場合PCからのメール拒否の設定の有無の確認。メールアドレスの間違い等の確認の上)再度ご連絡をお願いします。

*

「えっ、いや、ダメ、俺がそっちに・・・」

聞かれたくないという様にチラリと送られた視線。

疎い私でも携帯の相手は女性からって察知できる。

最初は仕事関係とか友達とか別に気にもしなかったのに、わたしをめちゃ気にしてる態度。

初めて行った香港。

とはいっても仕事がらみだったけど、あの時はわたしに告白した後でさらりとCAから渡されたメモを何でもないように受け取っていた。

気にならないと言ったらうそになるけどあそこまでオープンにされたら疑わなくて済む関係。

ちらつく女性の影は1人じゃなくて、それでも信じてる。

でもねッ!

あきらの妹たちからプレゼントされた昔の彼女の写真の束。

今は関係ないってわかっていても揺れる心。

そして、女性からだとわかる携帯への対応。

焦ったのはわたしに知られたくない相手だから?

気にする心はそのまま言葉にできず「バカッ」の言葉で一束にむすんで胸の奥に閉じ込めた。

私の八つ当たりの力のままに勢いよく閉まるドア。

『バンッ』

その音で思わず視線を交わす私と一之瀬さん。

「なんでもありませんから」

先に私の方から声が出る。

なにも聞かないわよと大人の対応。

それがなんとなく社長を信じなさいって言われてる気がした。

仕事に没頭!

時計の針は正午前。

食欲もないと自販の前でコインを入れてコーヒーのボタンを押す。

「葵~」

「食事に行かないの?」

声をかけてきたのはおせっかい気味の前の部署の同僚達。

この子たちに捕まると後が長い。

あきらとのなれ初めとかデートとか探るだけ探られる。

「なんだか食欲なくて」

「恋の悩みとか?」

「違うわよ」

即答する声。

「あれほどのいい男だと心配よね」

「私の彼氏10人並みでよかったわ」

私の声など聞えてないように盛り上がってる。

「その顔でハンサムな彼氏ができると思ってる方が無理なんじゃない」

「ひどい~葵と対して変わんないわよね」

私に同意を求められてどう応えればいいんだ?

「アッ、葵それって・・・」

目ざとく見つけられたのは薬指につけていた指輪。

「婚約指輪!社長にしたらちっさいわよね」

「普通の男が贈るんならエンゲージリングでも奮発してると思うけどね」

コーヒーの缶を握ったままの左手を捉える同僚から伸びてくる右手は一つじゃない。

そのまま三人の目の前に私の手首から先がもっていかれてる。

手が抜ける!

「コーヒーが飲めないよ」

「コーヒーなんてどうでもいいでしょう」

コーヒーの液体がこぼれそうに揺れ動く手首。

「単なるプレゼントでこれくらいなら婚約指輪ならそうとうだよね」

「桁が違うでしょう」

ここでも私の顔は見ずに指先のピンクダイヤの指輪を眺めて盛り上がる会話。

「だれも社長からもらったなんて言ってないわよ」

「違うの!」

ようやく指輪から外れた視線が私を見つめる。

「そうじゃないけど・・・」

「ほら、やっぱり社長からだよね~」

さっきのいい男だと大変だよねからうらやましいまで同じ土俵で騒がれてしまってる。

「社長と言えばさっきすごかったよね」

「えっ?」

あきらは社長室に午前中は引き込まったままだったはずだ。

今も一人その部屋で黙々と仕事をこなしてた。

なに?ていう好奇心が頭をもたげる。

「ロビーの受付で美女3人が社長の面会を求めてね」

「なんだか睨み合ってるの」

そこには好奇心満載の井戸端会議的ノリだ。

「途中で社長がやって来てたけど・・・」

「修羅場になるかと思ったけど流石だよね」

「さらりとその場を収めて3人の女性に御帰り願ってたわよ」

これが浮気現場の目撃なら葵に言うか迷うところだけどねって明るく笑ってる友。

その中の一人はさっきの携帯の相手だろうか?

で・・・

3人って、誰よーーーッ!。

「葵は知ってる?」

「知らないわよッ」

流石に少し不機嫌になる声。

「ごめん、やっぱりいい気はしないわよね」

「でも社長はてんで相手にしてなかったから」

「色気だけが取り柄みたいな女性達だったから、葵とは正反対!」

それを強調されると少しみじめになる。

オトナの色気もスタイルもどちらかと言えばあきらの方が濃厚だ。

私の正反対の女性のたくさんの写真をこの前、見せられたばっかりで、落ち込む要因がそこにも転がってる。

「気にしなくても大丈夫、そんなことがあったんならどこかから噂ですぐに聞こえてくると思うから」

彼女たちに悪気がある訳じゃない。

私のことを真面目に心配してくれてる数少ない同僚たちだ。

心配しないでと言って彼女たちと別れた。

ますます食事をする気がなくなってくる。

面会の連絡の電話をあきらにとりついただのはきっと一之瀬さんだ。

そして、秘書室を通らないドアからエントランスまでと抜け出したあきら。

やたらと書類の作成を私に分担して秘書室から動けなかいと思ってたら・・・。

2人はグル?

このまま秘書室に帰る気分にもなれそうもない。

今あいつに会ったら言わなくてもいいことまで言いそう。

今日は仕事が終ったらマンションに会いに行こうかなんて思ってたのにッ。

まだしばらくは帰ってやらないんだから!

一気にコーヒーを飲みほして、ゴミ箱めがけてその缶を放り投げる。

カランと缶がぶつかる音が鳴る。

「ナイスコントロール

私の後ろから里中先輩のすがすがしい声が響いてきた。

里中先輩、覚えてます?

久々の登場です~

拍手コメント返礼

ゆめ***様

おめでとうございます。

すっかりここまで先輩の存在忘れてたんですけどね(^_^;)

都合よく登場させました♪

ここからが面白いと思ってます。

ゆげ様

双子ちゃん里中先輩の存在まで把握してたら怖いかもしれませんねぇ。

でもあきらの昔の彼女を調べ上げてるくらいだから葵の素行調査くらいやってるかな・・・。

妹からの挑戦状もスマートに処理してほしい気がするんですけど。

あきら頑張れ~← 爆弾投げ込んだ私が言っても喜ばないでしょうね(^_^;)

hana***様

こちらこそよろしくお願いします♪

平穏をかき乱すのは誰?

ハイ!わたしです!

なんでかな?(笑)