happy new year 2018 プレゼントの行方

子供たちのお年玉で買ったパパの誕生日プレゼント。

正月から司の誕生日までまだ間がありますがどうなったのか気になるところ。

それでは続きからどうぞ

その前に短編を一つ。

「これ、どう思う?」

グレーのストライプのネクタイをスーツの中から出してあいつらの目の前に見せる。

興味のなさそうな表情を浮かべてくるかっと思いきや3人とも俺をからかうような嫌な笑いを唇に浮かべてる。

「舞と、翼と駿のプレゼントなんだろ」

「なんで知ってる?」

あきらの唐突な声に驚く俺。

「何回聞いたと思ってんだ」

「司の誕生日が過ぎて1か月は経ったのにこれだもんな」

総二郎の呆れ顔。

「タイピンを贈った相手は言わなくていいから」

興味なさそうにつぶやく静かな類の声。

俺・・・

そんなに何度も話したか?

「初めて聞いたように反応するのが友ってものだろうが」

「何度も聞けばな」

3人で顔を見合わせ相槌を打つ。

こんな時のこいつらの共同戦線には俺の入れる隙間はない。

「司の子供にしちゃ出来てるよな」

「牧野の育てかたがいいんじゃない?」

「本当に司の子か?」

好き勝手に話す内容は子供たちとつくしをべた褒め。

俺の遺伝子もしっかりあいつらには受け継がれてるはずだ。

駿の髪の毛に顔立ちは俺そっくりで・・・

わが道を行く性格は翼だろ?

舞は・・・

俺じゃなくつくしに似てるけどな。

舞が怒った時の表情は俺に似てるらしいぞ。

どうだ!

「おい、俺を無視するなよな」

機嫌がよかったはずの感情はすでに不機嫌の領域に差し掛かってる。

「俺の子じゃなきゃ誰の子だ!」

「もしかして・・・俺たちか?」

3人がまじ顔で互いを見つめてる。

あるわけねぇだろうがぁぁぁぁ

怒りを通り越すと声も出ないらしい。

「司・・・

悪い、からかいすぎた」

ポンと総二郎が俺の肩に手を置く。

「うるせっ」

総二郎の首に腕を巻き付けてこぶしを頭に一発殴りつけた。

じゃれ合いみたいな喧嘩をあきらと類は目を細めてみてる。

てめぇらも一発ぶん殴るから覚悟しとけ!

*ふにゃろば様からいただいたコメントをヒントに一コマ書いてみました♪

「パパの誕生日まで内緒だからね」

私の言葉に子供たちは「うん」と大きな声で明るく返事した。

交互に子供たちが待つリボン付きのプレゼントの箱。

家に着くまでに箱の中央がつぶれたように変形したのは子供たちの司に対する愛情だと許してもらおう。

夕食が済んでお風呂に入ってそろそろベッドに入る時間の子供たち。

パパに買ったプレゼントの話題は少しづつ子供たちの言葉から消えかけている。

一晩寝たらすっかり忘れてるってことあるかな?

司の帰宅を伝える声。

眠たそうにしていた子供たちの顔はパッと元気を取り戻す。

あと30分遅く帰ってくれれば・・・

子供たちがベッドに入るまで最初からやり直しだよ。

「ただいま」の声に「お帰り」のあどけなく反応する声はそのまま長身に飛びつく。

瞬時に出来上がるトーテンポールは子供たちの抱き着く衝動をすでに吸い込んでびくともしない。

そしてご機嫌な笑顔が司に出来上がる。

「お年玉で何を買ったんだ?」

司の質問に一番慌てたのは私。

司が朝出かけるときに確かに私が買い物に行くことは伝えてたんだけど・・・

ふつうはどこに行くにしても、何を買うにしても興味を示さないでしょう!

いきなり今日はそこですか?

「電車は買えなかった・・・」

翼の言葉に「パパの会社は電車を持ってるぞ」と一言。

道明寺が経営してる鉄道会社を翼はほしいわけじゃない。

「舞ね、魔法の杖を探したけどなかったの、

それにすごく高くてパパは買ってくれるだろうけど、お菓子が買えなくなるってママが言ったらやめたの」

舞の言葉を聞いた司の視線が私に冷たく向けられた気がしたのは気のせいか?

「お菓子が買えなくなるってどれだけ貧乏になるんだ」

いや・・・

それは舞を説得するためで、司の威厳を損なうものじゃないと思うけど・・・

「駿は?」

「べつにほしいものなかったし、貯金した方がいいと思う」

我が家の長男坊は一番かわいがられて、甘やかされて、不自由なく育ってるはずなのに道明寺家随一の堅実家に育つ片りんを見せている。

「なんだ、3人とも何も買わなかったのか?」

「買ったよ。あのねッ」

最初に口を開きかけた翼の口を駿と舞が抑える。

「パパには内緒なの」

翼に言わせなくても舞の言葉はやばい。

「なんで内緒なんだ?」

そう聞いちゃうよね。

舞に聞きながら司の視線は私に向ってるし。

「もう寝る時間だから、次回パパに見せればいいよね」

「さぁ、ベッドに行こう」

ただただこの場を取りつくろうだけの私。

そのまま子供たちに寝る時間だと追い払うあわただしさで子供部屋に送り込もうと必死

「子供たちを寝かしつけてくるから、その間に司はお風呂にでも入っていて」

ありふれたいつもの流れで私は司に声をかけて子供たちの背中を押しながら司の前を通り過ぎようと試みる。

子供たちがいないところでプレゼントのことを話して、知らないふりをしてって段取りをつければいいと思い始めてる私。

子供たちの気持ちがうれしいのは私も一緒で、この感動をすぐに司に伝えて一緒に喜びたい気持ちもある。

子供だけじゃなく私も司の誕生日まで隠し通せない気がしてきている。

「それじゃ、俺は風呂で待ってるからな」

私の肩に置かれた腕がグッと私を引き寄せ耳たぶに軽く触れた唇がつぶやく。

「しっかり、聞かせてもらうからな」

威嚇を持った声に別な熱が籠るのを感じて身体の奥がキュンとなる。

ごまかすように子供たちの背中をぐいと押してバタバタと私は部屋を出ていった。

子供たちが寝た後で・・・

浴室に向かう自分を想像して顔が熱くなった。