watcher(完)

watcher おまけの話

終わったはずの『watcher』におまけのお話。 昨日香音様とチャット中に出来上がったお話です。 公平君は出てきませんが良ければお付き合いを♪

watcher 13

* 言い合いのケンカをしながら歩く二人の姿の見つめながら数歩後ろを俺は歩く。 「怒ってるんだからね」 「だから謝っただろう」 ケンカ腰の言い合いの中でもつくしに歩調を合わせて歩く道明寺。 切羽詰まった感じは今のところ見当たらない。 「しばらく話し…

watcher 12

* 「ただいま」 待ちかねたようにつくしに飛びつく身長120cmを真ん中に左右に並ぶ90cm弱のチビたち。 俺には「お帰りなさい」の言葉だけ。 「いい子にしてた」 「ウン」と頷いて駿の顔はつくしの腹部にべったりと張り付いてる。 ここで「こら」なんて駿に対…

watcher 11

* 一気に波に足をさらわれてしまった。 そんな感覚。 そのまま砂場に尻もちついて思いっきり塩水を飲まされた感じだ。 予想だにしなかった道明寺司の登場。 怒る気にもならない。 速水会長の孫娘に、結婚してた!子供も3人!とばれて部屋の片隅につくしは引…

watcher 10

* コツコツと響く靴音は心拍音の高まりに比例するように大きくなる。 目の前で1度止まった靴音は規則正しい間隔を保って、私の前を通り過ぎて氷室会長の前で止まった。 「お世話をかけます」 氷室会長が最初に口を開く。 「無事に片付きましたから」 表情を…

watcher 9

* 親族の集まり、それは和やかに始まった様に見えた。 親族以外に顧問弁護士と見知らぬ弁護士1名。 氷室会長が自ら依頼した年齢より若く見える弁護士。 『道明寺つくし』はここでは歓迎されてないことが分かる見くびった目つきを俺の知らない顔が浮かべる。 …

watcher 8

* 某日某所連れていかれた日本庭園のある静かな佇まい。 都内でこれだけの土地を所有してれば相続争いも起るはずだ。 死んでしまった長男に実は娘が一人。 突然現れた二十そこそこの娘は一番の相続者。 あとは依頼人の弟に姉。 本来ならこの二人の家族に行く…

watcher 7

* 「怪しい人は、いた?」 いたって・・・ 普通はお前の方がその情報を把握してないとおかしいだろう。 ガクッと力が抜けるような感覚。 「しぼってないのか?」 「だって全員が怪しいんだもん」 「ほら、ドラマなんかだと一番らしくない人が犯人だったりす…

watcher 6

* 「地検に来たのって初めてだわ。緊張するね」 俺に言わせれば道明寺本社ビルのドでかさの方が上だと思う。 お昼前俺の勤め先に姿を現したつくし。 その胸には、『公正と平等・公平さ』を示す天秤と、『正義と自由』を示す向日葵をあしらった弁護士バッチが…

watcher 5

* 公平と別れて家路につく。 何となく・・・ ただ何となく・・・ 司に対して気が引ける想い。 司以外に頼み事をするのは何年振りだろう。 仕事の話って案外二人では話さないから大丈夫だろうけど、ばれたらやばい! それは分かる。 そう思った時点から普段と…

watcher 4

* 嵐の去った後の静けさ。 いや・・・ ただいま台風の目の中の静まりというところか。 一通り会話をした後で派手な彼女は俺とつくしを残して姿を消した。 「どこで知りあったんだ?」 今のつくしと彼女との接点を見いだせないでいる俺。 道明寺の本社ビルで…

watcher 3

* その機会は思ったより早めにやってきた。 テーブルに肘をついて雑誌をめくっているつくしを見つけたのは偶然の再会から3日目の午後。 都内ホテル1階の喫茶店。 「失礼」 少し気取った言い回しでつくしの正面の席に座る。 「あっ・・・誰かと思った」 「邪…

watcher 2

* 「珍しい取り合わせだな」 その最先端は道明寺司!君だと俺は思う。 自然と大衆向けの飲み屋になじんでたはずの俺とつくし。 今はここだけが異様に浮いている。 「洗面所に行ってくる」 我慢できない様につくしがガタンと席を立った。 俺も・・・ 同伴した…

watcher 1

FC2小説で連載しておりましたが、こちらで見たいという要望に負けてしましました。 書いてみたら更新中はブログの方でUPするのが簡単だと気が付きました。 数日で考えが変わる優準不断さお許しください。 PWもかけられないみたいですし(^_^;) 今頃気…