デートマル秘大作戦(完)

幸福のかたち

* 幸福感て・・・ 人それぞれで・・・ 牧野が笑って、怒って、泣いて、楽しそうに俺にほほ笑んで・・・ それが全部愛しくて・・・ 見つめる俺は幸せで・・・ すべて言葉でうまく伝えることが出来たならきっと恋なんて簡単なんだろと思わずにいられない。 牧…

ディナーの後で

* すんなり!スムーズ!予定通り! 完全とはいかないまでもここまでくれば合格だ。 本来の目的地までなんとか到着。 NYに行くより遠かった気分がしてた。 レストランの入り口で名前を告げる。 今日の為に予約した夜景ばっちり見えるホテルの最上階。 最高の…

頬にキスして・・・そして抱きしめて

* 「おい待て!」 観覧車を一人飛び降りてかけ出すあいつの背中を追う。 いったい俺にどんだけ追いかけられれば牧野は気が済むのだろう。 最初は高校の時だろう・・・ あん時は途中で姉ちゃんが現れてぶんなぐられた。 こいつが俺に別れを告げて漁村に姿かく…

楽しいはずが・・・

* 「もう・・・派手なアトラクションは勘弁」 泡を吹き出す1歩手前で牧野がつぶやいた。 ディナーの予約時間が午後7時。 帰えろうかと言いかけた牧野の手をギュっと握りしめる。 ここで牧野を帰すつもりが断然ない! 「ディナーの予約とってある。これまでキ…

作戦開始

* 神妙な面持ちで大人しくしていた牧野。 料理が出てきた途端、さあ食うぞ!て、感じでパワー取り戻していた。 相変わらず現金な奴だ。 牧野釣るには品物より食欲満たす方が断然効果的だと以前から学習していたはずなのにすっかり忘れてた。 思わず笑いがこ…

計画は・・・どこに?

* 「どこでもいいから早く入ろう」 牧野にせかされる様にランチ2000円~なんてボードに書かれているイタリアンの店に飛び込む。 せかされて飛び込んだのがホテルじゃないのが残念だ。 まだ昼間だ!と自分に言い聞かせる。 俺の計画じゃ青山あたりのよく…

ヤキモチやくな

* 午前中いっぱいウインドウショッピングを楽しんだ。 「買わなくてなにが面白い」 「折角俺が買ってやると言ってるのに・・・」 ぶつくさ文句を言いながらも時折うれしそうな笑顔を見せる道明寺にクスクス笑いがこみあげて楽しい気分が継続している。 「普…

一緒にいれば

* ただ見るだけって、牧野に連れてこられた表参道ヒルズ。 普段なら店の入り口をCLOSESさせて自分達だけでゆっくりお買いものが定番だ。 それも滅多にない。 ほとんどは家の方に店の方から出向いてくるからな。 「道明寺の名前とか絶対出さないでよ」 さっき…

最初から始めよう

* 牧野が俺にキスをした。 唇がそっと触れあうだけの軽いキス。 熱い口づけも捨てがたいが、照れくさそうなあいつの笑顔見せられたらこれもやっぱり捨てがたい。 いきなりのフェイント。 抱きしめる前にするりと俺の腕から牧野が逃げて行った。 いつもは俺か…

遅刻の訳は・・・

* 「なんで遅れたの?」 道明寺の胸元から少し身体を離し顔をゆっくり上げた。 今までなら私が待たせたことはあっても私を待たせることなんてなかった道明寺。 それが30分の遅刻なんて、不思議に思ってしまった。 「寝坊した」 ぶっきらぼうに言ったあいつ…

終わりよければ・・・

* 寝過ごしてしまった。 気がつけば時計の針は8時を示していた。 俺の枕元に置いていたはずの目覚まし時計。 数メートル先の床に転がっている。 夜中2時の時間が過ぎていた事は覚えている。 牧野の柔らかい身体抱きしめること想像しながらいつの間にか眠っ…

眠れない夜

* 「明日俺に付き合え」 牧野が素直に「ウン」と答える。 久しぶりの昼間のデート。 俺のテンション上がるのも仕方ねえ。 どこに行く? 牧野以外にデートした経験がない俺は必死に考えた。 最初あいつと行ったのは動物園。 それもグループ交際みたいなやつ。…