作戦開始
*神妙な面持ちで大人しくしていた牧野。
料理が出てきた途端、さあ食うぞ!て、感じでパワー取り戻していた。
相変わらず現金な奴だ。
牧野釣るには品物より食欲満たす方が断然効果的だと以前から学習していたはずなのにすっかり忘れてた。
思わず笑いがこみ上げる。
いつも一人で食べる食事のなんと味気ないことか。
牧野がにこにことおいしそうに食事する雰囲気見てるだけで俺の方は胃袋も心も機嫌よく満たされていく。
牧野と一緒ならどんなまずそうなものでもおいしく食べられそうな気になってくるから不思議だ。
今までまずいと思えるようなものは食ったことはないけどな。
会計を済ませ店を出る。
時計の針は1時を少し過ぎていた。
俺の計画イベントの最終コースまでは数時間の猶予がある。
「二人で遊べるところに行くか?」
「遊べるって遊園地とか?でも昼すぎてるしあんまり時間ないよ」
今からではもったいないと言う感じは牧野らしい反応だ。
夜まではたっぷり半日はある。
それまでの時間つぶしとの計画だと言うことを暴露するには早計だ。
さっきの食事した店でトイレ行くふりをして、ディナーの予約もホテルの部屋もしっかり押さえた。
準備は万全!
後は時間をどうつぶすかだけなんだ。
ここで焦りは禁物としっかり自分に言い聞かせる。
「お前は俺の言うとおりするんだったよな」
さっき取り付けた強引な約束。
無効だなんて許さない。
しっかり牧野の肩に腕を回し身体を拘束しながら言ってやった。
「それは・・・確かに・・・約束した」
消え入りそうな声で牧野がつぶやく。
テンション低めの牧野を引っ張って連れて行ったのはお台場の東京ジェイポリス。
「ここ来たかったんだ」と一瞬にして瞳を輝かせて牧野のテンション急上昇。
「そ・・・そうなのか?」さっきの牧野の態度との豹変ぶりに面食らって拍子抜けしてしまった。
ホントの事を言えば、昨日調べたデートスポットのお勧め記事「二人が仲良くなれるラブラブコース」というのに惹かれてデートコースにとりいれた。
実際どんなとこかは未経験。
コース案内では最初がストームGてアトラクションで・・・
二人の息があってるところを確かめて相性抜群て思わせる。
次は可愛いキャバ嬢とカッコイイホストになるやつだっけ・・・
牧野がキャバ嬢で俺がホスト!想像しただけでいきそうになった。
ここからこの予定通り牧野をエスコート!
と思ったら・・・
「私、やってみたいアトラクションがある」と牧野が俺の腕を引っ張った。
もしかして・・・
俺の邪な考え見えていた?
そんなはずはねぇ。
牧野の機嫌は上向きだ。
牧野に連れて行かれたその先は「ハーフパイプキャニオン」というアトラクション
「最初は 別なのやりてぇ」
ここで牧野の言いなりになったら元のもくあみだ。
そこから牧野を引き離そうと牧野の腕を引っ張った。
「コレって二人の息があうと、すごいスピードでるんだって!」
牧野も俺を引き留めようと必死の構えを見せる。
二人の息?
俺の予定のアトラクションとたいした差ないじゃないか!
次がキャバ嬢とホストのなら問題ないかも!
俺のヤル気100%充電された。
「しょうがねえからつきあってやる」
ニンマリする気分を押さえて強気で言った。
係員に案内されるままボード型のキャリアに立った状態で搭乗する。
俺達の息が合ったようで早さと傾斜でスリル満点、途中からスピードと高さがですぎて牧野は半泣き状態になっていた。
「止めてって言ったのにッ・・・」
アトラクションが終了した後も牧野はベソかいてぼやいてる。
こいつのこんな状態みたの初めてで・・・
おかしくて・・・
かわいくて・・・
「自分で乗りたいって言ったんだろう」
牧野を慰める感じで頭を抱きよせる。
俺の胸の高さでコツンと音がした。
牧野を慰めるなんて・・・
俺・・・
今までにあったかぁーーーッ
甘い感覚が俺の心を飛び越して全身に膨れ上がる感じに酔いしれる。
「次は俺がやりたいやつな」
グズるあいつをギュッと横抱きで抱きしめる。
こみ上げる笑い噛みしめながら、俺は牧野に寄り添う様に歩いてた。
:参照 東京ジェイポリスHP
今回のデートコースはC****様のコメントを参考にさせてもらいました。
今度東京行くことがあったら行ってみよう♪