遅刻の訳は・・・

*

「なんで遅れたの?」

道明寺の胸元から少し身体を離し顔をゆっくり上げた。

今までなら私が待たせたことはあっても私を待たせることなんてなかった道明寺。

それが30分の遅刻なんて、不思議に思ってしまった。

「寝坊した」

ぶっきらぼうに言ったあいつの鼻の頭に汗が浮かんでいる。

昨日の夜道明寺から携帯に連絡があったのが、8時過ぎ。

とりとめのない話をしていたが9時前には携帯をきった。

確か・・・

昨日は珍しく夜も暇で時間もてあまし気味なんて機嫌よく言っていたはずだ。

「夜更かしするようなこと、なんかあった?」

夜更かしなんて小学生にする質問だとクスと笑いたくなった。

「なにもねぇし、なんも考えちゃいない!」

鼻の頭に追加して額から頬にかけてツーッと一筋の汗が流れ落ちた。

「嘘つくの下手すぎっ、なにかしてたでしょう!」

笑いを止められずクスクス笑ってしまった。

「いや・・・今日のデート誘ったの俺だし・・・」

「どこ連れて行けば・・・・その・・・雑誌見たりして・・・」

「お前がなにを喜ぶか考えてい・・・た」

耳まで真っ赤にする感じにぼそぼそと道明寺が答える。

道明寺が夜も更けるの忘れてどんな雑誌を見ていたのか・・・

ベットに寝転んで雑誌見たりごろごろ考え込んでる姿想像しただけでくすぐったい笑いがこみ上げる。

高校の頃、道明寺との初デートを思い出す。

優紀といろいろ考えてたどりついた道明寺との庶民デート大作戦。

あの時はいかに道明寺がキレることなく継続できるかに神経注いだはずだ。

別な意味でドキドキしていた感じだった。

今とは雲泥の差だよな・・・。

思い出した内容がまた私の笑いを誘ってしまい、頬を緩めて「クスクス」笑い声上げていた。

「笑うな」

甘ったるい声で言った道明寺がコツンと額を私の額に押し当てた。

道明寺の甘えたような仕草にますます笑いが止まらなくなる。

「今日のデート、楽しみ」

うれしそうに最高の笑顔でほほ笑んでみせる。

「お前、笑いすぎ」

すねたように道明寺がつぶやいて、照れくさそうに道明寺が笑った。

そんな道明寺がなぜだかかわいくて・・・

大好きで・・・

うれしくて・・・

うれしくて・・・

私の身体全身をくすぐったい感じが包んでいる。

背伸びをして道明寺の唇に自分の唇をゆっくり合わせる。

すぐに背伸びをやめて、唇を離す数秒の軽いキス。

「これで許して」

小さくつぶやいて道明寺の腕の中からすばやく身を躍らせるように離れる。

道明寺は私の腰に手を回した状態のまま固まっている。

「早く連れてって」

私はくすぐったさが消えないまま照れたようにほほ笑んだ。

この後のデートの行き先は・・・

まだ考えていません(^_^;)

地方在住の私には東京近郊のデートスポットあんまり知らなくて・・・

司同様に雑誌ネット検索する必要ありです。

いい場所ありますか?

司とつくしにやってもらいたいデートコース

文章書くより考える方に時間さかれそうな雰囲気。

このまま終わらせる!これが一番楽だったりして・・・。