ヤキモチやくな

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午前中いっぱいウインドウショッピングを楽しんだ。

「買わなくてなにが面白い」

「折角俺が買ってやると言ってるのに・・・」

ぶつくさ文句を言いながらも時折うれしそうな笑顔を見せる道明寺にクスクス笑いがこみあげて楽しい気分が継続している。

「普通のデートてこんなもんだよ」

「買い物したいために連れまわしてるわけじゃないだから」

道明寺の腕を引っ張るように歩道に出る。

「なあ、牧野お前普通のデートしたことあるようないいぐさじゃねえか?したことあるのかよ?」

「今してるじゃん」

「俺じゃなくほかの奴とだ」

道明寺が苦虫噛み潰したような顔になっていた。

男の人と二人で時間を過ごしたことてかぞえるほどしかなんだけど・・・

それが道明寺がNYにいっていたときで・・・

そのほとんどは花沢類と過ごした時間だ。

1度だけディズニーランド連れて行ってもらったこともあったんだと思いだす。

類との事になると普通より格段にヤキモチ、嫉妬するのは確実で・・・

今までの経験上どれだけ機嫌が悪くなったか考えるのも嫌になってくる。

ないと言えばうそになるし、あると言えば道明寺の事だ不機嫌が空から勢いよく落ちてくるはずだ。

「彼氏とは初めて・・・」

なんとか嘘のない言葉を考えて言ってみたが・・・

気分は最悪、歯切れの悪い返答になってしまった。

道明寺の額がピクッと動くのが見えた。

「誰とデートした?俺の知ってるやつ?」

「えっ?デートじゃない!たんに付き合ってもらっただけで・・・」

「もしかして・・・類か?」

「アハハハ・・・正解!」

顔が強張ってうまく笑えなかった。

「類と行ったとこ全部思い出せ!」

全部って・・・思い出せるわけがない。

「それは・・・無理かも・・・」

「そこに全部俺が連れていく」

まるっきりふてくされて、だだこねる子供にしか見えない道明寺がそこにいた。

そんな道明寺を見て私の心に余裕みたいな気分がポコッと生まれる。

「ゴメン」

一応謝った。

「彼氏とのデートは道明寺が初めてだよ。今までで今日が一番楽しいしドキドキしてるから」

道明寺の頬が少し緩む。

なんとか機嫌がよくなってきたと確認できた。

もうひと押し!

「ギュリュッ」

お腹のむしがなり出した。

「ククククク」

お腹の音に釣られる様に道明寺が笑いだす。

「そんなに笑うことないでしょう」

照れながら睨んでしまう。

「もう昼だもんな、なに食べたい?」そう言いながら道明寺が笑いをかみ殺す。

「イタリアンなんてどうだ?」

「いっぱいおごってもらうからね」

「行くぞ」

道明寺が私の腕をグッと引っ張って機嫌よく二人駆け出した。