watcher 9

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親族の集まり、それは和やかに始まった様に見えた。

親族以外に顧問弁護士と見知らぬ弁護士1名。

氷室会長が自ら依頼した年齢より若く見える弁護士。

『道明寺つくし』はここでは歓迎されてないことが分かる見くびった目つきを俺の知らない顔が浮かべる。

道明寺財閥との結びつきを知ったら腰をぬかすんじゃないかと思うのが俺の心のよりどころみたいなものだ。

これが切り札。

俺が一番関係ないはずなのに、ここで今1番緊張感があるのは俺かも知れない。

つくしの隣にいる俺も訝しげな視線が舐める様に全身に注がれる。

遠慮ない視線は気持ちがいいものじゃない。

「今回は喜ばしいことですね」

恰幅のいい男性が愛層のいい表情を浮かべて最初に口を開いた。

これが会長の弟らしいと目星を付ける。

その横には対照的にやせてヒステリックに見える女性。

眉がぴくぴくと痙攣ぎみに動いている。

これが会長の姉か。

付き合いたくないタイプだ。

俺と変わらない年齢の男は会長の姉の一人息子だとつくしが俺に耳打ちした。

「この子に会社を継がせるつもりなの」

会長の孫娘を睨みつけて、見た目通りのヒステリックな甲高い声が響く。

「うちの子が大学を卒業してどれだけ会社の為につくして来たか分かってるでしょう」

いい年して『うちの子』なんて母親に言われたら俺なら情けなくなる。

ママの言う通りにしてるみたいな典型的なマザコンにしか見えない。

俺でもこんな奴に会社任せる気にはならないだろう。

「大した実績も評価も聞こえてこないがな」

氷室会長は苦笑を浮かべたまま呟いた。

「だからって、何も分からない小娘に会社を継がせたらつぶれますよ」

「姉さんの息子に継がせた方がその確率は高い」

会長の皮肉っぽい言葉にブルブルと震える女性の唇は今にも泡を吹き出しそうだ。

「孫娘には優秀な後見人をつければ済むことだ」

「まさかこの男じゃないでしょうね」

燃えるような憎々しげな目つきが俺を見つめる。

それも老齢の女性と俺と同じくらいの男の4つの目。

え?俺?

仕事がら凶悪な目つきに睨まれるのは慣れている。

だが・・・。

それに恨みのこもった様な視線は経験がない。

今は俺が殺されそうな感覚だ。

俺は関係ねぇぞ。

つくしに着いて来ただけだ。

事件を起こさないための盾となる為に検事の立場を利用するんじゃなかったのか?

「おい、つくし、変な方向に行ってないか?」

膝で軽く横のつくしを突く。

「私も気が付いた」

気まずそうな・・・。

困惑気味の顔が俺を見上げる。

鈍の付くつくしが気が付いてるくらいだからこの場の誰もが俺を孫娘のお婿候補と思っても不思議でない雰囲気が今、目の前にある。

「会長、こう・・・松岡君は私の付添人みたいなものですから」

一歩歩み出たつくしが大きく声を出す。

「なんで、こいつがお前の付添人なんだ」

突然開いた扉。

一瞬で周りの視線を釘づける強いオーラを発しそいつは現れた。

「つっつっ・・・つかさ?なんで?」

驚愕の表情が俺の隣で出来上がっていた。

最後でここは司にカッコよく決めてもらいたい!

そう思いながら書いています。

大人になってるといいんだが・・・(^_^;)

やっぱりめちゃくちゃな方がいい!どっちだろう?

ドS倶楽部みなさんの後押しは・・・要らない!と司は言いそうですけどね。

拍手コメント返礼

りんごじゃむ様

最後はお決まりで登場してもらわないといけませんものね。

公平君には悪いけどそこは何と言っても主役ですからね。

展開は派手に~なるのかな?(^_^;)

匿名様

コメントありがとうございます。

大人な司ですね。

そこは成長してる事でしょう3児の父ですもん♪

それともつくしの事になると同じ精神年齢かしら?

ふふふのふ~様

洗練されてスマートな司。

たまにはそれもいいですよね。

はちゃめちゃな司は結構書いてますからね。

きんた様

カッコ良い司のリクエスト多いですね♪。

そして公平の前でイチャイチャ~。

そううまくいくかな(^_^;)

匿名様

いつ登場するかいろんな想像してもらってたんですね。

私の想像が楽しんでもらえるといいのですが・・・。(^_^;)

しずか様

やっぱり司は司だった・・・。という終わり方~暴れ方~。

どんなふうに暴れさせましょう♪

氷室家の面々が顔面蒼白ならない程度でお願いしたい様な気がします。