戯れの恋は愛に揺れる  19

無事にお悩み解決!

この立役者は椿おねぇ様。

話せば簡単に解決しそうな問題も長引くのはつかつくだから~

さてこのお話のしめはどうなるのでしょう。

久々にPWつけちゃおうかな~

今日のお話じゃないですからあわてずにお待ちください。

ただいま夏休み期間中で家で一人でいる時間は制限中なのです。

こまった!こまった!

「離して」

押しつけられた身体を押しやろうとする指先は一寸も司の胸元を押しやることはできず逆につくしの指先を無駄だというように司の手のひらが包みこむ。

「離したくない」

司の君の唇がそっとつややかなつくしの髪に落ちそのまま頬に触れた。

強く腕の中に包みこまれた不慣れな態勢は嫌でもあの時をつくしに思い起こさせる。

衣擦れの音が・・・

肌から滑り落ちた肌着。

司の指先が自分の肌をあらわにしていく驚きと羞恥心で包まれた感情。

恥ずかしさいでいたたまれない感情は司から与えられる熱に溶かされて消えていったあの夜。

初めて知った喜びはすべてが終わってあとで絶望に満ちたものに変わっていた。

初めからわかっていたらこんな思いはしなくて済んだのに。

すべての誤解が解けた後司の腕の中で喜びが落ち着くとそんな不満がつくしの心に芽生えてくる。

「私がどんな思いをしたか知らないでしょう」

強めの非難するつくしの口調に意外そうな表情を司が向けた。

頬に触れた指先はそのままつくしの顎を支え上に持ちあげる。

「お前こそ俺の絶望感はわからないだろう」

静かに穏やかな声でゆっくりと司の唇が動く。

「いなくなったお前がどれほど俺を慌てさせたと思ってる?」

つくしはその形の良い唇の動きに見入って言葉を発することもできなくなってしまっていた。

司の自分を見つめる瞳にこもる熱。

見つめられるとあの時の初めての感覚をさまざまとつくしに呼び起こしてしまってる。

「わかったから、離して」

「離さない」

先ほどから何度も何度もそんな会話が続いてる。

それに気が付いてどちらからともなくクスとした笑みがこぼれた。

東宮妃になるのは嫌か?」

「それは東宮が誰だか知らなかっただけだから」

「俺ならいいのか?」

コクリとうなずくつくしの頬は塾した柿のように今にも枝から落ちそうなくらいに色づいてしまっていた。

「最初からそう言ってくれればよかったのに」

「あの山の中で身分を明かしても信じないだろう」

司にそう言われればそうだとつくし思う。

皇室の皇子が数人のお供を連れただけで山の中に迷いこむなどありえないことなのだ。

だから今の今まで司を皇子だとは思わず貴族の御曹司くらいにしかつくしも思ってなかったのだ。

「お前をこれから俺の宮に連れて帰る」

「え?」

「立て」

驚きを隠せないつくしの前にすくっと立ちあがった司が手を差し伸べた。

「それは・・・

ほら・・・

一応自分の屋敷に帰って、しっかり準備というか心構えができてからのほうがいいんじゃないかな」

差しのべられた司の手を振り払うような否定的な態度に司はムッとした態度をあらわにする。

自分の相手が誰だかわかった時点でつくしは誰にも後ろ指さされることなく皇室に嫁ぎたいという思いを強くしてる。

それは自分だけでなく司のためになるはずだと考えはじめていた。

「また、逃げられたら困るからな」

否応ない強気な瞳はつくしを動けなくする魔力を宿すようにつくしに注がれる。

「逃げないから。

喜んで東宮妃にならせていただきます」

下手に出たつくしの態度を疑うように司は見つめたままだ。

「俺がこれ以上お前を離したくないんだ」

ぐいっと司に引きよせられた身体を司は軽々と抱き上げしまっていた。

そしてそのまま廊下へと歩きだす。

そんな司を止めるものなどなく女官たちは膝を折って三つ指をついて頭を下げ二人に向ける視線を遮断したままだ。

「暴れると落ちるぞ」

「それこそ、女官たちに醜態を見せることになるぞ」

つくしに耳打ちする司の声に、つくしはおとなしくなるしかなかった。

司の胸元に顔を隠すように押しつけて女官たちに見えなくすることだけが精いっぱいだった。

「心配するに、俺の宮に連れていっても婚礼までは何もしないと約束する」

司の言葉に意外そうな表情でつくしは頭を上げた。

司の腕の中にいる安心感が心地よい。

別にそれが嫌とかじゃないんだけど・・・

そんなことを思うつくしを何も感じ取ってない司がじっと見つめてる。

「安心しろ」

渡り廊下を何度となく曲がりながら司の宮にたどり着いたのだろう。

日当たりの良い広い部屋。

女性ものの上質な調度品のおかれたその部屋に、つくしの身体はふわりと司の腕から降ろされたのだった。

拍手コメント返礼

スリーシスターズ 様

今回は暴走なし。

つくしちゃんの場合一気に悩み事解決で気も緩んでると思いますのでここは一気に行きたいとこですがほんの少し我慢させちゃおうとした私の思いつきです。

司がおとなしく出来るわけがないとのご意見が比較的多い現状。

私もそう思うのでお話を続けていきたいと思ってます。

yumi 様

誤解も解けてここからは幸せいっぱいの二人をお届け~

と思ったら・・・もやもや状態に陥りそうな司皇子の発言!

大丈夫かとおもう方続出中でございます。

芋の煮っころがしをフーフーとつくし姫に冷ましてもらいながら口を開ける司皇子なんて一コマでホッと一息。

こんなことでもきっと司皇子は我慢できるはず。

できるかな・・・?(;^ω^)