どうしてそうなる !?
マネキンシリーズ 第8弾!
このお話は花男短編「こうしてドレスは作られた」の続編です。
出来ましたら第1~7弾を読まれた後お楽しみください。
「司、つくしちゃんのマネキンつくったんだって」
何の前触れもなく帰ってきた姉貴が俺の顔見た途端言いやがった。
それも呆れるような、軽蔑したような視線を俺にぶつけてくる。
なんで知ってる・・・
牧野、姉ちゃんにしゃべったな!
牧野は姉貴のお気に入りだ。
きっとあることないこと、尾ひれがついて姉貴にしゃべってる可能性もある。
そうは言っても情けないことにほとんどホントの話で作り話するようなことはなにもなんだけど・・・
俺がマネキン抱きついて作った話なんてしてないよな・・・
着せ替えしたことは知ってるんだろうか・・・
「つくしちゃん、情けないて嘆いていたわよ」
「私の方はそんなバカな弟を持ってもっと情けなかったわよ」
姉貴の表情・・・
やっぱりあいつ・・・
全部しゃべってると確信できた。
「つくしちゃん、マネキンどうすることもできなくて置き場所に困ってきたから、私が面倒みることにした」
にっこりほほ笑んで俺を見つめる。
こんな表情する時は絶対何か企んでいるんだよな・・・
このお姉さまは!
俺に対する容赦は全然ないことは昔から経験済みだ。
姉ちゃんがマネキンどうするんだ?
姉ちゃんの屋敷なら置く場所困らないだろうけど・・・
そんなことじゃ済ませねえよな。
「どうせなら仕返しに司のマネキン作ろう!て提案した」
なんで俺のマネキン作るのが仕返しになる?
そんぐらいたいしたことねえじゃねえか。
「そんだけか?」
拍子抜けした感じで思わず気が抜ける。
「大体の体のサイズは解かったんだけど・・・」
そう言いながら悪戯っぽく俺に視線を姉貴が送ってきやがった。
「司の大事なところ見たのって・・・小学生の頃なんだよね・・・」
考える素振りを姉貴は見せた。
まさか・・・
今さら見せろなんて言わないよな・・・
予想外の返事が返ってきた。
「そこだけはそのサイズにしたわ」と・・・
小学生って・・・
そんなもん小指ぐらいの大きさだぞーーーーーー
そんなの見たくねえーーーーー
「つくしちゃん、それ見てうちの進もこんなもんでしたてケラケラ笑っていたわよ」
姉貴が「クスッ」と笑う。
もう作ってやがるのかーーーーーー
俺・・・
牧野の恥ずかしさがようやくわかった気がした。
この短編の二人のマネキン
以前書き込みいただいた『最後、マネキンがウェディングドレスを着て司のマネキンと一緒に並ぶ日がくるといいですね』の前触れとして書いてみました。
マネキンの行方まだまだ続きます。