ハロウィンの夜に 番外編 1

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ハロウィンのパーティー終了1週間後。

1通の封筒が届けられた。

差出人はあのサル女。

また変なこと思いついたわけじゃないよな。

ペーパーナイフで封を切る。

『楽しい写真が出来たので送るね。

司は遅刻したから映ってないよ

PS・つくしを怒ったらダメだからね

                滋ちゃんより』

自分が映ってない写真くらいで怒りを表すほどガキじゃねぇぞ。

それに写真は嫌いだし。

中には2枚の写真?

ピーターパンの滋にバニーの牧野、桜子のシンデレラ、優紀のティンカーベル

どうせなら牧野一人の写真送ればいいのによッ。

あの夜はすげー楽しかった。

バニー姿なんてもうニ度としないって愚痴る牧野をめーいっぱい堪能した俺。

ピッチピッチのレオタードは脱がせるの結構苦労したぞ。

もう1枚は・・・

見つめてブルブル写真を持つ手が震えてきた。

椅子に腰かけてうつむいて恥ずかしそうに顔を隠す牧野。

その周りには海賊、ドラキュラ、ゾロ・・・

あいつらじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ。

類なんて牧野の肩に手をおいて・・・

何気にさわってるじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ。

なんでこんな写真撮らせてるんだ!

牧野のバニー・・・

俺しか見てないんじゃねーのかよッ。

それに俺・・・

まともに見てねぇぞ。

組み敷いて触るのと脱がすのに夢中だったもんな。

目で楽しむ余裕なんてなかった。

「道明寺・・・」

運よく、都合よく、牧野が現れた。

入りかけた足を一歩で止めて片方は床に張りけて動かない。

俺の冷気感じ取っている。

「都合悪ければ帰ろうかな・・・」

誰が帰すか!

「入れッ」

怒りも露わに発した声は罵声気味。

「機嫌・・・悪そうだね・・・」

「いいわけねぇだろう」

「私・・何かしたっけ・・・」

写真を顔めがけて投げつけた。

落ちる写真を牧野がキャッチ。

「これっ・・・」

「なんでこの写真がここにあるのよ」

驚嘆の声。

「滋が送ってきた」

「なんでこんな写真撮らせるんだよ」

非難気味の視線を向けたままつぶやく。

「記念だからって・・・」

「誰にも見せないって言ってたんだけど・・・」

困惑気味で必死に笑いを作る牧野。

「あいつらもお前の姿を見たんだよな」

「まあ・・・仮装してすぐだったから・・・着ぐるみも着る前で・・・」

「でも少しの時間だったよ。本当に」

焦りながら真っ赤になるなッ。

「でも見たんだよなぁあいつら・・・」

「私の姿見てもあの3人は対して動じてないし・・・

なんとも思ってないと思うけど・・・」

ハハハと笑う声は気が抜けている。

あいつらがお前のバニーを見たという事実が問題なんだよ。

くそっーーーーーーーー。

牧野から写真を取り上げてビリビリに破く。

「あの・・・写真みんな持ってると思うけど・・・」

「はぁ?」

「携帯で撮りまくっていたし・・・」

言ってしゃがんで耳をふさいで座り込む牧野。

あいつら!

ただじゃおかねぇーーーーーーーッ。

ち**様のコメントのF3がしっかりつくしのバニーを見ていたら・・・

という設定で番外編を書いてみました。

これも1話じゃ終わらなそうだ。