第12話 ないしょ?ないしょ!ないしょ!? 29
*-From 1 -
「あっ、お前この仕事終わるまで俺んちなッ」
「俺んちッて・・・・・」
腕の中でこわばる表情の牧野。
「今週末まで24時間一緒ってこと」
対照的に緩む俺の口元。
「はぁ? なんで?」
「花嫁修業ってことでお前の両親にも了解もらったから」
あんぐり空いた口が言葉を忘れたように固まった。
すげ~間抜けな顔になってるぞ。
四六時中一緒!
うれしくねぇのかよ。
「そんな勝手なこと私の了解もなしに決めないでよねッ」
頬に添えた指先を牧野にベシッと引きはがされた。
「言ったろう、埋め合わせさせるって」
「だからって、こんなのない!強引すぎる」
そんな俺が好きなんじゃねぇのか?
『わがままも横暴も強引さも道明寺だから許す』
俺の首に巻き付いて囁いたこと覚えてるぞ。
お前に『許す』と言われて喜優する俺。
完全に敷かれてる。
強気に俺を見つめる瞳。
結構・・・
・・・・ 好きなんだ。
「バイトしてるの俺に内緒だったよな」
耳元にわずかに息がかかるように声を出す。
牧野がピクッと反応した。
「大学で用事があるとかないとかいって、連絡できない、会えないだったか・・・」
密着するように腰を抱く。
「類を彼氏に仕立て上げた」
「はげ常務に好意をよせられて・・・」
俺の肩越しに「あっ」と発する声。
「どれも気にくわねぇんだけど」
反論なんてできないよな。
俺の胸元に置かれた手のひらがギュッとこぶしを握る。
「もう時効じゃないの?」
胸元でこもる声。
スーツを通して皮膚に伝わる振動。
コクンと一つ心音が跳ねる。
「一生時効になんてしてやんねぇ」
掻きい抱く髪の先から匂う清涼感な香りが鼻をくすぐる。
俺のシャンプーじゃねぇか。
彼女から自分と同じ香りがするっていいもんだ。
「続きは帰ってからな」
放したくない衝動を理性で抑える。
呆けたような牧野の顔。
機嫌のいい笑いを喉元から漏らす俺。
ここで襲ったりしねぇよ。
慌てなくても時間はたっぷりとある。
それよりも速攻で仕事片づけねぇと折角のこいつとの時間を西田に取られてしまいそうだ。
「おい、ハンコ押せ」
二人並んで座って俺のサインをした書類を牧野に渡す。
真剣にハンコを押す牧野の横顔。
止めようもなく緩む唇。
自然に漏れる小さな笑い。
どうしようもないくらいに幸せだ。
区切りがいいので
・・・この辺でお開きということで(^_^;)
微妙な終わり方。
終わりたい!終わらせたい!と思っていたもので
気持ちはほとんど新しいお話に行っているです。
続きは・・・
番外編必要・・・・なのかな?
拍手コメント
kobuta様
やっぱりそうですよね(^_^;)
番外編。
しまりのない司で♪
RICO様
残念と言っていただけるそのお言葉[emoji:v-409]
何よりのほめ言葉。
番外編でどこまでいけるのか~。
b-moka様
番外編頑張ります♪
給食おばさん様
可愛い司が登場できるような番外編お届けできたらいいですが(^_^;)