ファイト!
ある日の一こま的お話です。
甘アマなのか、単なるじゃれ合いなのか・・・。
はーあと言うため息が聞こえてきそうな内容になってしまった気もします。
*「大嫌い」
大音量が耳をつんざく。
「なッ」
今までの「道明寺のバカ」が可愛く思えた。
大股で地響きを立てながら遠ざかる牧野。
「勝手にしろ」
踵を返して牧野に背中を向ける。
どうしてあいつが怒り出したのか見当が付かねぇ。
今度の日曜どうする?からはじまった会話。
久しぶりに昼間のデートできるねって喜んでいたあいつ。
途中から状況があやしくなった。
引き金はなんだ?
やっぱわかんねぇーーーーーッ。
このままじゃ気が済まない。
「アーッ」
怒りを放出するように吠える。
そのまま牧野の方向に向きを変えた。
「おい!待て!」
小走りに走って追いついた1メートル手前で声をかける。
無言の背中はまるで俺に寄るなと言ってるみたいに拒否を示す。
立ち止まった牧野の肩に手を置いて俺の方を向かせるように力を入れた。
「もう、どうしてここは意味もなくこんなに広いのよ」
不満そうに開いた唇。
広いって言われてもいつも牧野と一緒に過ごす俺の部屋。
急に広さが増したわけじゃない。
「お前の歩幅が短いだけだろう」
「ほら、また人をばかにした様な言い方」
拗ねる様に見上げる瞳。
「あ?いつも言ってることだろうが」
「これでも傷ついてるんだからね」
「さっきもブサイクとか軽く言った・・・」
「そんなこと言ったか?」
「言ったかって、覚えてないの!」
少し驚いて非難する色を瞳に浮かべられた。
「俺が言うのは問題ない」
「俺はお前に惚れている。それだけで十分に幸せだろうがぁ」
「他のやつが言ったんならぶん殴るけどな」
「それって、矛盾してると思うけど・・・」
最後にバカと付け加えらた。
「お前こそ俺に大嫌いとかバカと言えるよな」
「道明寺はそれくらいで傷つかないでしょう」
からかう感じで軽く牧野が答える。
「だな」
「俺が傷つくのはお前に悲しい表情されることくらいかもしれない」
「えっ・・・」
顔を伏せるように動いたのは赤く染まった頬を俺に見せたくないためらしい。
「真面目な顔して変なこと言うなッ」
小さな声はしっかりと俺の耳に届いた。
ゆっくりと重なる唇。
呼吸は重なるごとに甘い香りにむせかえる。
牧野の腰を自分に引きつけるように抱き寄せた。
自分の耳に響くほどの激しい動悸。
牧野にまで響いてるんじゃないかと焦りを覚える。
「ど・う・・みょ・・じ・・っ」
震える様に牧野の唇が俺を呼ぶ。
「・・・手」
「て?」
「どこ・・・触ってる?」
「触ってるて、お前の胸」
「いきなり触んないでよ」
俺を突きはなす様に牧野の両腕が伸びた。
触るのにいちいち断るバカがどこにいる。
流れ的にはこのまま進むってモノじゃないのか?
いつまで待たせる気だッ。
プロポーズして1年が過ぎた。
未だにキスまで。
牧野と司だからなってまたあいつらにからかわれる。
「いつならいいんだ」
ため息交じりにつぶやく。
「いつって・・」
「わかんないよ」
照れくさそうに言って染まる頬。
んな表情を見せんなッ!
叫びそうになった。
最初の書き出しの時はPW付きにしようかななんて思っていたんです。
でも途中から方向がチェリーな司クンになっていました。
お粗末様でした。
拍手コメント返礼
匿名様
短編じゃなくても大丈夫でしょうか?
それもパス付を所望されて、舞い上がりそうです。
この後を書いたらどんな話に仕上がるのか!?
以前に書いた話につながりそうな気もします。
蛇の生殺し~。
まあ、ほかではしっかり頑張っているということで司も許してくれないかな~ ← んな訳ねえだろうーーー。叫ばれてそう(^_^;)