玲子さんの婚活物語 1
いや~またしょうもない新しいお話です。
きっかけはいただいたコメントからwatcher12の番外編のお話を『甲斐君のつぶやき」でUPして、甲斐君と玲子さんを結婚したことから想像が止まらなくなっっていまいました。
オリキャラでここまで遊んでいいものかどうか心配ですが、そこはしっかりつかつくを交えて楽しめるストーリーにしたいと思っています。
設定としては、つくしちゃんは双子を妊娠する前の育児休暇中。
から始まるお話になります。
*「つくしちゃん、久しぶり」
育児休暇中もしっかりと学習の為に週一の割合で事務所に顔を見せている。
玲子さんとは3日前に会ったばかりだ。
「今日は駿君連れてきてないんだ?」
「家で見てもらってます」
なんでも興味を示して手にとってしまう駿。
それだけならまだいいが引きちぎってしまう凶暴な2歳児をこの事務所に連れてくる勇気は私にない。
「たまにはゆっくり玲子さんと話もしたいですから」
そう思っているのも本当の事。
気心の知れた玲子さんに甲斐さんに会うのは道明寺の人間として出席する集まりで蓄積したストレスの発散になる。
「私もつくしちゃんに相談があるの」
切羽詰まった表情の玲子さんを初めて見た気がした。
「ここじゃ話せそうもないから下のコーヒーショップでも行かない?」
「仕事大丈夫なんですか?」
「大丈夫よ。私の仕事は甲斐君に頼むから」
甲斐さんに片目をつぶって見せる玲子さん。
「玲子さん、こんな時だけ俺に君をつけないでください」
「つくしちゃんに免じて今回は特別に許可します」
相変わらずこの二人は楽しいコンビだ。
「それじゃ、頼むはね」
ここには用がないという様に玲子さんに背中を押されてエレベーターに乗り込んだ。
頼んだコーヒーカップを持って店の窓際の二人掛けの席に座る。
午後2時過ぎの時間帯はコーヒーを飲む客も少ないようで空いている席も目立つ。
その中でこそこそと小声で顔を突き合わせる私と玲子さん。
ここまで注意して話す内容は仕事がらみか?
「つくしちゃん・・・結婚して幸せだよね?」
えっ?結婚?
玲子さんが今抱えている仕事って離婚問題?
離婚の訴訟で私に玲子さんが相談する可能性は0に近いはず。
「幸せですけど・・・」
戸惑いのまま小声で答えた。
今の状態で幸せと応えなければどれを幸せと言うのだろう。
「そうよね。そうなのよね。それが私には足らないのよね」
「はぁ・・・?玲子さん?」
「つくしちゃん、決めた。私結婚する」
突然カップを持っていた手ごと玲子さんの手のひらに包まれる。
カップごと押しつぶすんじゃないかと思う様な怪力に対抗するようにコーヒーカップを守る私。
その力強さは玲子さんの決心の表れ?
冗談ではなさそうだと玲子さんを見つめていた。
「・・・あの、結婚って・・・玲子さん彼氏いましたっけ?」
以前に別れた彼氏がいたのは知っているが、今玲子さんの周りにいる男性は甲斐さんしか思いつかない。
「聞いてよ、つくしちゃん。別れた彼ね、二十歳そこそこの女の子と結婚するって招待状まで私に送りつけてきたのよ」
「普通、別れた彼女にそんなもん送らないわよね」
「その結婚式いくんですか?」
「もう結婚式は終ったわよ。平気な顔でオメデトウって言ったら、お前はまだ結婚しないのか?だって」
「そのうちって答えて帰って来たのよね」
怒りの声はそのまま消えていつもの冷静な口調を取り戻す玲子さん。
「別れた彼には未練はないんだけど。癪だから真面目に結婚を考えてみようかなって思ったの」
「玲子さん相手いるんですか?」
「いないからこれから探すの」
「探すって?」
そんなに簡単に見つかるものとは思えない。
「今は結婚相談所がいっぱいあるじゃない」
結婚相談所のトラブルは何度か聞いたことあるんですけどね。
玲子さんも詐欺みたいなやつ扱ってなかったか?
「そこでお願い」
お願って何のお願いだ?
結婚相談所を探す手伝いとか頼まれるのだろうか?
信頼できる所を探すのは必要だと私も思う。
それなら他にもっと詳しい人がいそうだけど?
「一人で相談所に入会するのは怖いのよね」
玲子さんに怖いものあるんですか?と甲斐さんなら突っ込むところ。
「だから・・・」
「はい?」
「つくしちゃん一緒に入会しよう!」
なんだそんなこと。
・・・・!?
ホッと笑いかけた顔を慌てて引き締めた。
「玲子さん。私既婚者です。それに子供もいます」
そんなことは言わなくて分かっているはず。
それに半端じゃない嫉妬心を見せる夫がいるんですよ!と強い視線で断った。
「そんな風には見えないから大丈夫よ」
「大丈夫って訳ないじゃないですか」
「相談所の所長が知り合いでね。女性はたくさんいた方が華やかだから大目に見るって言われているの」
「本物の独身女性を誘えばいいじゃないですか」
「つくしちゃん、その独身女性は私の敵になるのよ」
「つくしちゃんだったら私の味方してくれるでしょう?」
付き添いと思ってもらえばいいからお願って両手を目の前で合わせられた。
「つくしちゃんは旧姓で申し込めば問題ないでしょう」
私が一緒に入会する設定で玲子さんの計画は進んでしまっている様だ。
「ばれたら、怖いんですけど・・・」
「大丈夫よ。結婚相談所のことは誰にも言ってないし、私につくしちゃんが付き合っても代表はなにも疑わないと思うもの」
「ねッ。お願いします」
お願いされても・・・。
こんな事に関してはすごく鼻が効くんですうちの司君。
本当に玲子さんの結婚相手が見つかるまでばれずに過ごすことができるのだろうか。
不安は消えない。
「付き添いだけでいいんですか?」
「私の隣にいてくれるだけでいい」
「ばれそうになったらしっかりガードするから」
玲子さんが説得にかかれば敵う訳がない。
「これまでいろんな事・・・あったわよね・・・」
その後に続く言葉は『つくしちゃんと代表』
助けたのは誰?の無言の圧力。
検事も一目おくやり手の剛腕弁護士に新米の私が叶う訳ない。
「早く相手見つけてくださいよ」
ほとんどやけ気味だ。
「もちろん」と玲子さんが私と対照的ににっこりとほほ笑んだ。
こんな時の玲子さんは女性が引け目を感じる様な美しさを放つ。
「喋らなければもてますよ」
甲斐さんの言葉がそのまま頭の中を通り過ぎて行った。
喋らないようにさせるのって無理ですよね・・・。
始まりはこんなものでいかがでしょう?
長編にならないうちに片づけたい気分で取り組みますって本当か?(>_<)
拍手コメント返礼
しな様
早速の拍手ありがとうございます。
波乱がないとおもしろくないですからね。
甲斐君と玲子さんの間になにかを起こすかつかつくでなにか起こした方がおもしろい様な~と考えついたらこうなりました。
どうなるんだろう~
b-moka様
結婚相談所を舞台に思いつきましたが、その知識は皆無。
なので今放映中の某ドラマを参考にするために真剣に見てます。(笑)
参考になるかどうかは微妙~