ごめん それでも愛してる 15

どうなる二組のカップル?

まあどっちに転んでも司クンは慣れてるでしょうが・・・(^_^;)

あきら君はかわいそうと思う私です。

*

壁を隔てた二つの部屋。

あきらはソファーに座って俺見てため息をついた。

俺はベット上で胡坐をかいて座る。

でも・・・

なんでこっちがキングサイズのダブルなんだーーーーー。

そこに男二人。

向こうの部屋は確かツインのベットだ。

そっちには牧野とあきらの彼女。

俺の予定にはない展開に落ちている。

「今ならお前の気持ちがわかる」

分かるって・・・

あきらお前がか?

つれぇーぞ。

牧野にデートも誘えなくって・・・

手を握っただけで舞い上がって・・・

キスしてそこからなかなか先に進めずに・・・

抱きしめるだけで過ごした夜。

ガキみたいに純粋だった頃。

今でもあの時の思いのまま牧野を愛してる。

そんでここでお預けさせるお前って、俺に言わせれば悪魔だよ。

「この部屋もベットルームは1つじゃないよね」

思いついたように言ってベットルームにあきらの彼女を引っ張り込んだ牧野。

あきらと俺を二人っきりにしてどうすんだ。

そしてもう一つにベットルームに行く羽目になった俺とあきら。

香港での二人っきりの熱い夜。

俺のもくろみは完全に崩壊だ。

「本気で好きになって・・・

焦って・・・

悩んで・・・

落ち着かないの初めてなんだ」

照れくさそうでいて真剣なまなざし。

さりげなく彼女を思う優しさが体中にあふれてる。

「本気なんだ」

「ああ」

あきら、いい顔してる。

もともと気遣って優しい奴だけどそれ以上に何となく雰囲気まで変わってる様な気がした。

こいつの優しさは義務みたいなものがあって誰にでも平等的に向けられる博愛主義。

いままでの恋愛もそんなものだったに違いない。

特別な優しさなんて誰でも向けられるものじゃない。

俺は牧野限定だしな。

「好きなら、押し倒せばいいんじゃねぇの」

「そう言いながらなかなか手が出せなかったのはお前だろ」

「あんときはまだ牧野が子供だったんだよ」

俺に言わせればお前もガキだよって鼻で笑うな。

「お前ら二十過ぎた大人だろうがッ。お前は俺より経験豊富なわけだし」

「葵は牧野より鉄壁だぞ」

「はぁ?」

「まだ、キスくらいしか経験ないみたいだ」

俺は顎が外れるかと思うくらい間抜けな顔になった。

あきらの女性暦の中には遭遇しそうもないタイプ。

あきらの悩んでるわけがようやくわかった気がした。

「しょうがねぇから付き合ってやる」

笑いを押し殺してあきらの肩をポンとたたいた。

ベットの端に腰をおろして葵さんと向き合う。

どちらからともなかなか声が出ないまま時間だけが過ぎる。

「どうしてるでしょうね・・・」

「えっ?」

「あの二人」

気まずそうに小さい声で先に声を発したのは葵さん。

「またバカなこと言ってるんじゃないかな」

部屋の隅に置いてあるコップを取ってきて壁に当ててみた。

聞こえるわけないっーの。

「つくしさんて面白いですね」

葵さんは緊張が解けた様に笑い声をあげる。

別に笑われるつもりでやったわけじゃないけど結果オーライ?

私の気分も軽くなった。

「美作さん、信じて大丈夫だと思います」

「あんな美作さん見たことないし、本当に葵さんのこと大切なんだと思えましたから」

「・・・そうかな」

「大丈夫ですよ」

「きっと葵さんが嫌いにならない限りは」

「向こうが嫌いになるかも・・・」

不安そうな表情を浮かべる葵さんがいじらしくて年上なのに可愛い人だと好感が持てる。

相手のことを思うだけで切なくなる思い。

不安になったり、焦ったり、心配したり、怒ったり、ケンカしたり。

自分でコントロールできない感情が・・・想いが恋で・・・。

それが始まったばかりならなおさらだ。

「焦らなくてもいいんじゃないかな。 ・・・ゆっくりで」

「きっと美作さんは待ってくれますよ」

窓から見える香港の夜景は色とりどりの光を発して、美作さんの恋もうまく行くような気がした。

つくしの言葉であきら君の試練が始まる?

「まきのーーーーーッ」というあきら君の叫び声が聞こえてきそうですが・・・(^_^;)

これでこの話を終了にしたら恨まれるだろうな・・・

拍手コメント返礼

Micko様

はじめまして。

1番の拍手ありがとうございます。

私にしては珍しく夕方UPでした。

つかつく派うれしいですね。

原作、&ドラマのイメージを壊さないように制作していきたいと思っていますのでこれからもよろしくお願いいたいます。