LOVE AND PEACE 13

さあ、ここからひと波乱。

それで済むかな・・・。

あんまりオイタが過ぎると自分に帰ってくると思うけど類君、総ちゃん、あきら君♪

今回はつくしの責任はないですもんね。

*

「なあ、司どうすると思う?」

「あいつが来ないはずないよな」

ガシャッと音を激しくたててツーツーと電波が途切れた携帯。

「あきら、自分で司を煽っといて『どうすると思う』はないだろう」

「携帯に連絡入れとけって言ったのは総二郎だろ」

壁に投げつけられて床に落ちる無残な携帯の姿を想像する。

俺達がそうはならない程度でうまく納める必要はある。

最悪は牧野に頼るしかない。

それがあるから俺達も遊べるんだよな。

「あんまり、遊ばないほうがいと思うけど」

「あっ類、今回はお前の為に人肌脱いだだけだろうが」

「俺の為ねぇ・・・」

クスッと苦笑気味に笑いを浮かべる類も結構楽しんでるんだよな。

エスコートの相手が牧野で喜ぶのは司と類くらいのものかもしれない。

まあ俺と総二郎も気を使うことなくエスコートしやすい相手であることは間違いない。

司に連れられて場数を踏んだ牧野はパーティーでも最近は様になってきている。

司の横で遠慮がちに佇む牧野は初々しくてほほえましく映るから初対面の受ける印象はすこぶるいい。

少しずつ道明寺総帥の婚約者としての地位は確立しつつある。

ただ公には公表されてないだけ。

来年俺達が大学を卒業したらこんな機会はもっと増えて行くだろう。

遊べるのも今のうちって訳だ。

「大使館の招待状って、そんなに簡単に手に入らないだろ」

「道明寺の名前使えば簡単だろうけどね」

「実は今回はそっちも手をまわしてるんだよな」

「あきら、なかなか用意周到じゃん」

3人で意味深に投げ合う視線。

でも・・・    

きっと来るぞ!

声にはださないがみんな同じ結論だ。

「どうやって入りこむかな?」

「ある程度の警備はあるだろうし」

「給仕に化けて入り込むようなッタイプじゃないしな」

「あの天パじゃすぐわかるぞ」

「他人にワインついで回る司・・・」

「ありえねぇーーーーーーッ」

「けど見てみえてぇ」

「司なら殴り倒して玄関からってパターン一番妥当だけどね」

さすがに司もそんな馬鹿じゃないだろう。

いや・・・牧野が絡むと何しでかすかわかんねぇかも・・・。

類の言葉にさすがに不安になった。

逃げ道は残してやっとかないとやばいか?

俺達が楽しめるほどほどの状況で・・・。

「最後は、牧野を司に返せば済むだろう」

総二郎がなんでもないだろうという表情でほほ笑んだ。