ごめん それでも愛してる 16

けい様のコメントからのちょっとしたお遊のお話です。

BLってどう書けばいいのかな・・・新しい挑戦!

いえいえそんな大げさなお話は司とあきらじゃ無理だーーーーッ。

*

隣に感じる人の気配。

明るく室内に漏れる日の光。

キングサイズのベットの片方に偏る二つの身体。

まだ目覚めるのは早いと言う様に腕を伸ばして抱きしめた。

牧野って・・・

こんな毛深かったか?

抱き寄せるように黒髪の中に滑り込ませる指先それにまとわりつくしなやかな髪。

ん?

からまらない・・・。

髪が短かい?

「つっ・・・つ・・かさ」

「苦しいっ。離せ」

この声はあきら?

へっ?

おっ?

「キャーーーーーッ」

そして俺を飛び起こさせた悲鳴は牧野ッ。

俺と言えば上半身裸のままであきらと抱き合っている。

ついでにあきらに足を巻きつけてあきらを逃げられないように囲い込んでしまってる。

調教師の身体に手足をまきつけるチンパンジーを想像てしまってた。

なにが起こったか分からなくて静止する時。

三すくみ状態でにらみ合ったままだ。

「えっーーーーー」

ようやく声が飛びだしてあきらから離れた。

「死ぬかと思った」

あきらは首をさすりながらゲホッと咳をする。

「なにやってたの?」

気まずそうな困惑気味の表情を浮かべる牧野。

見ちゃいけないものを見たとでも言う様に視線を外された。

「寝てただけだ」

「ふたりで?」

「しょうがねぇだろうこっちはベット一つしかなかったんだから」

「ソファーもあるけど・・・」

「足が出て横になれねぇだろうがぁ」

「変なこと考えるなよな」

顔を真っ赤にして身体を回転させて俺達に牧野は背中を向けた。

「早く服着てよね」

「下は着てるぞ」

ベットから抜け出て牧野の側に歩み寄る。

「目のやり場に困るの」

「見なれてるだろうが」

「美作さんは見なれてないもん」

「見なれてちゃ俺が困るよ」

あきらはベットから抜け出してさっさと身支度を整えている。

「お前、なに想像してた?」

「へ?えっ?」

抱きしめて牧野の身体を包み込む。

体中が燃え尽きてしまうんじゃないかと思えるくらいに熱を帯びる牧野の身体。

「そ・・・そうだよね。道明寺と美作さんの組み合わせって考えられないよね・・・」

一人で言って一人で納得した牧野。

今流行りだからな~って苦笑気味に口元を緩ませた。

そんな流行り知らねぇよ。

あきらとなにかあったと想像する方が・・・。

うぷっ!

げーーーーッ。

思わず鳥肌が立った。

俺達の触れ合いは友情の抱擁。

牧野に注ぐ情愛とはまったく別物だ。

とは言ってもあきらと抱き合って眠ったなんてガキの頃もない。

総二郎や類には絶対知られたくない。

牧野の頬に両手を沿わせて顔を上に上げさせる。

「牧野がいいに決まってるだろう」

「えっ?」

「俺の横には牧野が寝てるとばかり思ってた」

「身体は柔かみがねぇし、毛深いしで目覚め悪いぞ」

クスッと笑った牧野が俺の胸元にコンと額を押し当てる様に動く。

「おい、俺がいる事を忘れんなよ」

そう言ってほほ笑んだあきらは寝室のドアを開けて出て行った。

よし!

これで邪魔者はいなくなった。