駿君の家族日記 7(夏休み編 1)
にべ様の『小学生になった駿君のひとコマ』のリクエストにお応えしてUpしました。
夏休みの一コマです。
*小学校初めての夏休み。
僕はお母さんのお母さん、つまりおばあちゃんの家に遊びに来た。
同級生がほとんど行く海外のリゾート地で過ごすよりきっと楽しいぞとお母さんは僕に言った。
時々おばあ様のいるNYにもお母さん達と離れて遊びに行くこともあるが家とあんまり変わらない生活。
ただお母さんやお父さんがいないだけのこと。
いつも妹達にお母さんはとられてるけど、こんな時のおばあ様は嫌になるくらい僕にべったりなんだ。
おじいちゃんの家に泊まるのは初めてだけど、お母さんに連れて行ってもらったお家は小さくて、僕の部屋にすっぽり入りそうな大きさだ。
それでもみんながいつも一緒におしゃべりしてひっついてる感じはとても安心する。
時々、僕のお家も小さくてもいいのになんて思ってしまう。
僕のうちに迎えに来てくれたのは進おじさん。
お父さんの知らない遊びをいっぱい僕に教えてくれる。
バスに乗って小さくなる僕の家を見送ったのは初めてだ。
いつも学校に送り迎えに乗る車よりもおもしろい。
「これ、駿のバス代」
進おじさんが硬貨を数枚渡してくれた。
百円玉1枚に十円玉が3枚。
「百三十円だぁ~」
これだけあれば駄菓子屋でいっぱい買える。
「駿、お金知ってるんだ?」
進おじさんは意外そうな顔で僕を見た。
「お母さんと買い物に行くもん」
「お手伝いするとお母さんから十円もらえるんだ」
「そのお金が貯まったらお菓子とか買いに行くんだよ」
「お姉ちゃんらしい」
楽しそうに進おじさんが笑った。
「僕がお金知ってるの不思議なの?」
「道明寺・・・駿のパパはさお金なんて一万円しかつかったことなさそうなお金持ちだからな」
確かにいつも外で買い物する時はお母さんがお金を払ってる。
駄菓子屋でカードで買い物しようとしてお母さんに止められたお父さんを思い出した。
お父さんより僕の方がきっと上手に買い物ができると思う。
バスから降りるときにお金を四角い箱の中に入れるんだと進おじさんが教えてくれた。
パタっと音を立てて箱のそこに落ちたお金はスーッと動く底に運ばれて消えていく。
それが面白くって眺めた僕は「行くぞ」と後ろに立つ進おじさんに背中をポンと押された。
「また、乗りたい」
「いくらでも乗せてやるよ」
進おじさんは僕の髪の毛をくしゃくしゃと手のひらでなでる。
家の前では行ったり来たりウロウロしてるおばあちゃんとおじいちゃんが見えた。
「駿が来るの楽しみで待ち切れなかったみたいだよ」
進おじさんはこらえきれなかったみたいに笑い声を上げる。
僕は駆け出しておばあちゃんに飛ぶように抱きついた。
庶民の夏休みを満喫する駿君へのリクエスト。
あ~ なにさせよう。
数話続く感じでUPしてます。
東京なら田舎みたいに虫取りとか無理だよな・・・。
進もそんな遊びしてない気がします。
川や海、山で遊びまわった夏休みの記憶も今の子供たちに体験させるってなかなかないですもんね。
明日からわが家も子供の夏休み突入です。
拍手コメント返礼
きんた様
お久しぶりです♪
>駿君の庶民の夏休み‥ 晴男爺ちゃん、張り切って駿の為に駆けずり回ってカブト虫を用意。
必死で頑張りそうですよね(笑)
どっちが大きいのを獲るかと司と駿でバトルなんて発展も面白そうですね。
お話のヒントありがとうございます♪
b-moka様
夏休みにまとわりつかれるのも小学校まででしょうね。
駿君にどんな夏休みを過ごさせるか子供をじっくり観察したいと思ってます♪
にべ様
夏休み始まりました。
全国のじじばばちゃんも大変でしょうね。
甚平に夏祭り、花火大会いろんなことで楽しめそうですよね。
任せてもらってありがとうございます。
後数話書きあげますね♪