FIGHT!! 18

今回のお話は親なら一度は経験がありそうな子どもの質問ネタのお話。

道明寺家だったら・・・想像してみました。

本日7時までにPWの申請をされた方は返信していますのでご確認をお願いします。

*

「赤ちゃんの作り方!!!」

張り叫んだ声。

口が開いたまま司と顔を見合わせた。

「ママは舞と翼を産んだばかりだから作り方は覚えてるでしょ?」

覚えてるって・・・

あれって覚えるものなのかな?

「それは1年前の・・・」

なに考えてるのよ子供の前でッ

やばそうなことを言いそうな司を目で制した。

「タマさんに聞いたらもう歳だから忘れたって言うんだ」

タマ先輩・・・

きっとあなたの方が上手に話を作れると思うのですが・・・

「親の責任だろ」

きっちりと返されるだろう予測はできる。

「幼稚舎のお友達はコウノトリが運んできたとかキャベツ畑から運んでくるとか言うんだ」

「先生は結婚したら神様が届けてくれるって、どれが本当なの?」

どれも本当じゃない。

幼児の性教育ってどこまで話せばいいのよッ。

「駿、それはだな・・・」

床に膝をついて駿の両肩に手のひらをポンと司が置いた。

「話すの?」

冷たいような熱いような微妙な空気の流れ。

「俺は嘘はつかない主義だ」

そんな主義いつからできた?

「まだ3歳だよ」

早すぎないか?

「お母さんの体の中に赤ちゃんの種をお父さんが入れるんだ」

まあ・・・

ウソじゃない。

確かにお父さんがお母さんに入れるけど・・・。

言葉の明るさとは裏腹になんとなく恥ずかしい。

これで駿が理解できればいいんだけど。

ふん~と言ったまま考える仕草。

種ってどんなのって言われたらどうなる?

駿が知ってる種ってサクランボの種に去年庭に巻いたヒマワリの種くらいだ。

どっちも形は違う。

「どうやって入れるの?」

入れる?

私が考えていたより高度な質問。

それはまだ早すぎだよ~~~~~。

この際あとは3人のパパスターズとか西田さんにバトンを渡すってどうだ?

「パパとママに実施で教えてもらいな」

あの3人なら言いそうだ。

「それではからだのしくみから」

黒板に書かれる生殖器の図。

3歳児でもまともに授業をしそうだよな西田さん。

「口から入れるんだ」

焦ったような司の声が聞えた。

口からって!!!

手で「ハイ~」ってタネを呑ませる発想は良いと思う。

下から入れるが本当だけど・・・。

それを知るのはまだまだ先の話だ。

さっきの嘘はつかない主義はどこに?

一つの疑問が浮かぶ。

お父さんの種はどこにあるのって聞かれたらどうするのよ!

駿の顔を慎重に見つめる。

納得したか?

「どうやってタネをママは飲むの?」

質問が私に返ってきた。

鋭い突っ込み。

どこにあるもどう飲むかも難し過ぎる質問だよ。

悩むぞッ。

「えっ?まあ・・・アレかな・・・」

「・・・キスでもらうのかな」

最後は力が抜けたような声しか出なかった。

「えっ!僕、ママとも舞ともキスしたよ」

「どうしよう」

「それは大丈夫だ。大人になって結婚してからじゃないとあかちゃんは生まれないから」

ホッとするような答えを司が口にする。

流石だ!見直した!

「だから、お母さんとキスできるのは父さんだけだぞ」

そこで駿にママにキスするなみたいな釘を刺すなッ。

見直して損した気分。

「パパはやっぱりすごい!!!」

「だろっ」

浮かれたような司の声。

鼓動のドキドキが体中に広まって顔からは火が噴出しそうだ。

心臓に悪い。

「ママ、今度パパから種を貰ったら食べる前に見せてね」

にっこりとほほ笑む無邪気な笑顔。

「・・・」

ウンと言うべきなのだろうか?

種は見てわかるものじゃないし・・・

口の中で舌の上にのせて?

手のひらに出して?

見せられるものじゃない。

まともに考えて想像したら恥ずかしさだけが残る。

「駿も舞も翼も生まれたしお父さんの種はもうないかも・・・」

これ以上の答えが見つからない。

「お前、なに言ってるんだよ。俺が不能みたいな言い方するな」

すくっと立ち上がった司は目の前で威嚇気味に荒く声を張りあげた。

「だってこれ以上無理でしょう」

対抗する高い声。

でも少し私の方が押され気味だ。

「俺は5人でも10人でもいいぞ」

「そんな話をしてたんじゃないじゃない」

「駿が納得してるかどうかが問題なんだから」

えっ?の表情で向き合ったまま言葉の攻防が止まる。

「僕、待ってるから」

目の前の可愛い顔にこれ以上にない重圧を胸に撃ち込まれた気がした。

拍手コメント返礼

b-moka

ありますよね。この手の質問。

あとサンタさんは本当にいるの?

いくつでカミングアウトするか・・・。

私もなんて答えたか覚えておりません。

タネとは教えてないような・・・(^_^;)

この担当はやっぱり総ちゃんでしょうか(笑)

夢*様

いつもご訪問ありがとうございます。

「お母さんの体の中に赤ちゃんの種をお父さんが入れるんだ」

そうなんですよね。

嘘はついてない(爆)

楽しんでいただけてうれしいです。

マリ*

お恥ずかしい

どうしてこうもしょうもないお話を思いつくのだろうと思いつつ書いてしまってます。

笑ったと率直にいただけるコメントが何よりの励みなります。

さぁ次も頑張るぞ~。

ゆげ様

嘘はつかない主義。

司なら嘘つく必要はないでしょうけどね。

子どもに聞かれたらつかえますよね。

子供に聞かれた時どうして思いつかなかったのかなぁ・・・。

なんて答えたかも覚えてませんけどね(^_^;)