大学の中心で卒業できないを叫ぶ 6

ちょっと遊び過ぎてしまった気もしますが(^_^;)

実際になさそうなことがあるのが花男ということでお許しをいただきたいと思います。

*

「もう二度と法学部には近づかねぇ」

呟く俺の横で牧野はクスッと小さく声を漏らす。

「お前、喜んでないか?」

「全然!」

首を横に振るフリもわざとらしい。

牧野がすこぶる機嫌がいいから怒る気にもなれねぇ。

膨れた顔も反抗的な態度も好きだけど、やっぱ、お前には笑顔が一番似合う。

「でもさ、よく今まで無事だったよね」

「何が?」

「男性に告白されたことって」

下から俺を眺める視線は少し遠慮がち。

聞かれてる内容は不愉快。

思い出させるな!!

「あるわけねェだろう」

最期まで牧野に言わせないうちに返事をした。

今まで一番身近で俺を見ていた牧野が一番知ってるはずだ。

男どころか、牧野以外の女も近づけてねェぞ。

「だよね・・・」

鼻先でキョドッといた表情を牧野が浮かべる。

「たく、お前のせいだからな」

「なんで、私のせいなの!!」

「俺はお前の傍にいられるだけで良かったんだ」

意外とこいつの真剣な横顔って好きなんだ。

無理やり屋敷に連れ込んだら2時間とか勝手に時間を制約して俺のデスクを占領する牧野。

ペンを動かしながら時折口元からこぼれる独り言。

「あ」とか「そうか」とかいって、時折俺の視線に気がついて「あんまり見るな」と動く口元。

きっと頭の片隅には少しは俺の存在を残してくれている。

ただ傍にあいつがいるって空気感がお穏やかに俺を包み込む。

そして出来れば触れ合いたいって思うのは自然な流れ。

互いの肌の温もりを感じられればそれは極上の時間。

それはここ数週間お預けで、このままじゃ必死で仕事を片付けて帰ってきた意味がない。

牧野との時間を共有したかっただけのはずが、手のひらには微妙な生ぬるい感触だけが残ってる。

男に触れらる違和感。

爬虫類に触れたようなぬるっとした感じはもう二度とごめんだ。

「払拭してもらいたいもんだ」

「払拭って・・・もう権田君も教授もいないけど」

俺の背を追い越しすようにピョンピョン飛びはねて後ろを牧野が確認する。

「あっ!」

「なにッ!」

あいつ等追いかけてきたのか!?

うろたえ気味の感情がなさけないくらいにそのまま声になる。

あのインパクトは1日寝たぐらいじゃ忘れられそうもない。

夢にまで出てきそうな気もする。

「冗談」

茶化す様な牧野のニンマリとした顔が俺を覗き込む。

「脅かすな」

ムッとした俺の目の前で、鼻先が触れあいそうな位置の牧野の顔。

唇に触れる生温かな吐息。

濡れた唇。

それだけで不機嫌な感情は心の奥に押し込められていく。

「焦ってる道明寺も、好きかも」

照れくさそうに微笑んで俺から外れる視線。

甘ったるい感情とムズ痒さがのど元から湧いてくる。

この距離なら首に腕を回して抱きつくとか、キスするとかねェのかよ。

そしたらすぐにさっき俺が経験した気色の悪さは払拭できるぞ。

数秒のそんな考えが俺の行動を遅らせた。

腰に手を回す前に牧野が俺から遠ざかる。

くっそっ。

絶対牧野から俺に抱き付かせてやる。

イチャイチャの講義はどこに・・・。

これも書きたかったな。(^_^;)

拍手コメント返礼

なおピン様

やはりオリンピックは見てしまいますね。

日頃は興味がない競技も必死に応援してしまいます。

おかげで寝不足気味です。

焦る司のご褒美は甘々♪

結果はどうなったでしょうか?

それ次第ですよ。

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やぁ~私の後ろのドS倶楽部の会員の皆様の後押しがあるもので(^_^;)