Perfect dungeon 18

緊張感が続いてるお話の設定だったのに・・・(^_^;)

司君が登場した途端にドタバタしてきてます。

シリアスに敵と対峙する道明寺総帥。

ダークな部分を全面に出した司なんて話は書けない気がしてきました。

私の挑戦はこうしていつも失敗に終わるんです。(/_;)

*

砂煙を舞い上げて直進する猛獣の集団。

ココは一国の大使館だぞ?

そんな危ないモノが入り込むはずがない。

なに?

目を凝らす私を車の助手席に押し込んで西田さんがバタンとドアを閉めた。

アルフ・・・王子・・・。

息を切らせて大きく上下に揺る肩。

頭からがぶりといかれそうな恐怖と不安。

私・・・何かしたか?

恐る恐る上げた顔の先でアルフ王子の手がサングラスを外す様に動く。

王子の素顔が見たい。

恐怖を抑えこむ好奇心。

ドクン、ドクンと心音が高くなる。

あと少しで王子の全貌が見れる。

緊張が指先から全身に走る。

期待と不安。

サングラスを外さない方が良かった。

そんな感想を持つことだってある。

私は何を期待してるんだろう。

道明寺に似てる顔を期待してるのか・・・。

似てたってどうなるものでもない。

王子は王子であって道明寺じゃないのに。

それなのに心臓が壊れそうなくらいに音をたてる。

スキとかじゃないから!

絶対!

なのになんでこんなにドキドキするのよ。

ばかげた感情を高まる心臓と音ととともに抑え込もうと必死になってる。

道明寺がどこにいるのか、わからない不安が私をおかしくさせている。

きっとそうだ。

サングラスの縁を親指と人差し指が挟む。

すらりとした鼻筋を離れてサングラスが顔から外された。

・・・

・・・・・・・?

!!!!!!!

邪魔!見えない!西田さん!!

スモークの車窓じゃはっきりと外は見えない。

それなのに西田さんが車のドアのまえを塞いで立ってしまってる。

窓をスライドさせるスイッチをガチャガチャと押す。

押さえていてもキーを連打で押しても窓が開く速度が変わるわけでもない。

それなのに焦る心は指を動かす。

見えなッ!

私が首を動かす位置に西田さんの背中が動く。

それは私を守る様に・・・。

この人は後ろにも目がついてるのか・・・。

「西田さん」

どいて下さいという前に「車を出せ」と聞こえた鋭い声。

振り向いた西田さんは「気にせず、先に帰ってください」と私に言って運転手に車を出す様に促す。

走り出した車の中から見えたのは西田さんの身体の後ろから風になびく中東の衣装の生地。

髭に隠された頬。

街灯のライトで出来た影が目元を隠す。

ぜんぜん・・・見えなかった。

どうかしてる。

王子が気になるのは雰囲気が道明寺に似てたから。

低めに聞こえた声も道明寺がクールに冷たく引き離す言い方に似ていてドキッとなった。

ただそれだけのこと。

目にするもの・・・

耳に聞こえるもの・・・

指先が感じるもの・・・

身体の五感が感じるすべてが道明寺を探してる。

王子が道明寺にそっくりだったら私は泣き出してしまいそうだ。

道明寺が恋しすぎて・・・。

どこにいるのよ。

「どう・・・みょう・・・じ・・・」

小さく動く唇。

か細く消え入る声。

後部席にため息をつく様に深く腰を落とす。

身体の重みそのまますべて受け取って沈み込む革張りのクッションの重厚さ。

沈み込む身体より、それよりも、深くため息が出た。

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拍手コメント返礼

aimi様

会えると思ったのに会わせないなんてなんて意地悪なんだろう(笑)

私じゃありませんよ~

悪いのは西田さん。

司がつくしを好きになったのは・・・

最初から気になって殴られて気が付いたなんて流れが私の中には出来上がってます。

Gods&Death 様

さすがですよね、西田さん。

我が家の西田さんはなくてはならない名脇役です。

おかゆ

正体を現したい司にまだ隠したい西田さん。

どちらに軍配が!!!

決まってるでしょうけどね。(^_^;)