ANSWER 35
翼とすずちゃんの危機!
連絡が取れないってところでお話が中断!
やっと書けます。(;^ω^)
いつでも、どこでもボタンを押せば直ぐに声が聞ける便利さ。
何度鳴らしても無機質な記録音が繰り返されると無性に不便を感じる。
出ろよ!
留守録に残す言葉も乱暴に変わる。
すずが俺からの連絡に反応を見せないことは今までなかったんだ。
いつも気にしてるって感じで速攻であいつの声が「もしもし」って聞こえるのが当たり前だった。
昨日の夜あいつを家に送って、帰りが遅くなったあらましをすずのお母さんに説明して別れた。
舞や佑が怪我して入院してることを知ってすげー心配してくれたのが印象的でうれしかった。
今日は一緒に病院に見舞いに行く予定ですずの家に向かった俺。
チャイムを押しても返事のない玄関。
締め切ったカーテンは人の気配が見えない。
何度となく鳴らしたスマホからすずの声が聞こえることもなかった。
もう病院に行ってるとか?
そんな期待をもって駆けつけた病室には舞と佑だけで・・・
舞の不安そうに俺を眺める表情で自分がどれだけ落ち着きがなくなってるかわかる気がした。
「スマホに出れないこともあるんじゃないのか?」
舞のスマホから視線を外しながら佑が自分のスマホからもすずに連絡を入れてくれる。
「やっぱりダメか・・・」
耳元からだらりと腕を落として佑がスマホの画面を見つめる。
「いつでも連絡がとれるって思ってたのにとれなくなると不安になるものなんだよね。
電源入れ忘れてるとか、スマホを持って出るの忘れてるとかあるかも・・・」
スマホは俺たちの必需品で財布を忘れても忘れねぇだろう。
家に忘れたなら取りに帰るだろうし半日もスマホを手放していたら落ち着けないって思う。
「喧嘩でもした?」
「してないから驚いてるんだろう」
「だよね。喧嘩したなら真っ先にすずは私に相談してくるって思うし・・・」
事故に巻き込まれた舞にすずが相談できる状況じゃなかったって思う。
事故の前も後も俺とすずは楽しく過ごしてたって思う。
あいつが可愛いって見てるキーホルダーを興味ないのに相槌を打つ俺にあいつが膨れてみせたり・・・
クルクルと感情が直ぐに表情に出るすずがかわいくてわざと怒らせて楽しんでいた俺。
あのくらいであいつがへそを曲げるわけはない。
事故のあとは必死で舞の心配して、無事だった舞の知らせにくしゃくしゃな泣き顔を俺の胸に押し付けて「よかった」って何度もつぶやくすず。
それが可愛いくて、すずの頭を撫でていた俺。
本気ですずを好きになってよかったってあの時思ったんだ。
「翼、自分が気が付かないうちにすずを怒らせたってことはないか?」
少し考える素振りで佑がつぶやく。
「翼はさ、元カノとか元カノとか元カノとかいたよな?」
ほぼ10本の指を折って佑が数える。
すずが好きなのにそれに気が付くのが遅くて、怖くて・・・
きっと佑がいなかったら俺はすずを好きだと意識することもできなかったって思う。
「全部もう、関係ないけど」
すずに好きだと告白してから俺はほかのやつに興味ない。
たぶん最初からすず以外は興味なくて誰でも一緒だったんだって思ってる。
時々、わざとらしくすずと一緒にいるところで「また、デートしよ」とか誘ってくる女子もいたけどほぼ無視。
あれ・・・は・・・やっぱりいい気はしないよな?
だからって、その仕返しが今ってことはないって思う。
なんか、いろいろな悩みすぎておかしくなりそうだよ。
すずと連絡取れなくなってたった数時間の心の格闘。
今日中にあいつと連絡取れなければ父さんに頼んで道明寺の力を使って探す。
「ぷるっ~」
舞の手のひらの中でぶるっと震える振動とともに鳴る携帯音。
すずから?
なんで俺じゃなく舞なんだよ。
そんな不満があったのもほんと。
それでもすずからの連絡してきたのなら許す。
ドクンと心臓が鳴った。
「母さん・・・からみたい」
舞の声にがくんと力が抜けた。
なんだ、母さんかよ・・・。