ANSWER 44
司が父親してると思った感想を持たれた方も多いのでは?
しかしつくしちゃんが引きさがるとは思えないんですけど。
主役が時々子供から親世代に移ってしまうこのお話。
本当の主役は誰?
まだ生まれたばかりの澪ちゃんだったりするかも?(;^ω^)
「今回の件は代表の過去の過失が原因じゃりません」
司の乱暴な行いを過失言いきれる西田がすごいと緩みそうになった唇は次の言葉で、吸った息を吐くのを忘れてしまった。
翼はふらふらしすぎて落ち着きがないって評価は分かる。
すずちゃんのパパがうちのパパとママみたいに格差に悩んでいたこともわかる。
そんなパパとママだけど高校の頃は「玉の輿」って私と司が付き合うことに単純に喜んでいた。
まじめに考えるのには早すぎないか?
あいつは本気の恋を知らないからって!なに?
どの口が言う!
高校時代の司は私をいじめて喜んでたじゃないか!
そのくせ俺のこと好きだろうと、どや顔で迫ってきた。
好きだとか嫌いだとかその狭間で心が動いて、それが恋だと気が付くまでに簡単なことじゃない。
もっ!
司なりに考えたんだろうけど・・・
私と司の子供だよ。
親に反対されたからって引き下がらないよ。
「俺が親なら翼とつきあうのは反対する」
佑君みたいな親が娘のBFにしたいと思うナンバー1に輝きそうな男の子でも反対してるのは誰よ。
今日は全部吐き出さなきゃ収まらない。
なのにッ
「翼が、本気かどうか見極められるまで騒ぐな」
閻魔大王の最後勧告のような冷たい声。
司の瞳が真剣だと私を見つめてくる。
「どう反撃してくるかな」
策略を練る経営者の顔から口角を下げて笑みを浮かべる甘い父親の顔をのぞかせる。
試すつもりって言ってるけど遊んでるようにも見えちゃうよ。
「男親ってああなの?」
そばにいた美作さんに耳打ちした。
「俺ならほっとく」
だよね・・・
「司も忙しいはずなのにしっかり子供のことを気にかけてる点は評価してやっていいんじゃないの?」
西門さんが私の怒りを収めようと極上の笑みを私に向けた。
西門さんのビロードのような甘い声と女性ならポッとなる魅了する笑みを見せられたら猛獣も牙を抜かれちゃうよ。
「司VS翼、それに舞も佑も敵になるわけだから見物じゃない?
それにもちろん子供たちが負けそうなときは牧野も、俺たちも司は敵に回すわけだしね」
花沢類の穏やかな声は私を落ち着かせて、司のムッとした顔を引きだすには十分すぎる。
ちょっぴり司をやりこめた感が私の怒りのバロメーターを下げてくれる。
「これ以上の手出しはしないよね?」
最後に司に念を押した私に司の舌打ちが聞こえた。
道明寺執務室の隣。
会議室というよりは応接間の一室。
だされたケーキとジュースが並ぶテーブル。
誰も手を付けようとしない。
重苦しい空気を払しょくするように舞がジュースのストローをズルッと吸い上げた。
本当なら音を立てずに飲む作法は身に沁みついてるはず。
「このケーキうまいぞ」
皿ごと持ちあげたケーキをがぶりと噛みついた俺。
「ほんとだ、おいしい」
俺の口元をなぞった舞の指が白いクリームをすくいあげて赤い舌がぺろりと舐めた。
そして見せる子供みたいな笑顔。
どぎまぎとした動揺を胸の奥から感じて落ちつかない。
「とにかく、父さんが昔何かやったとしても、俺はずすとつきあうことを許してもらえるように頼むから」
俺たちのことなんて眼中にないって感じで翼はずずに向きあって声を上げた。
だよな。
親のことで何かあったとしても翼が槇の父さんに認めてもらえばいいわけなんだしな。
英徳で道明寺 翼とつきあうってなったらほとんどの親が小躍りするはずなんだけどな。
道明寺ってだけじゃなく翼の人なっこさは人を惹きつける魅力がある。
なんとなく感じる違和感。
舞の無邪気な笑顔が俺に向けられた瞬間に頭の中でひらめいた。
「でもさ、舞と槇が親友で仲がいいってことは槇の親は知ってんだよな?」
「うん、高校に入学したころからだったし、舞のお母さんとうちのママも仲良かったもの。
パパも知ってるって思う」
考える表情で槇がしっかりとした口調でつぶやく。
「普通さ、恨んでるなら舞とつきあうのも反対しないか?
舞の時はなにも言わなくて翼の時だけ転校させるって勢いで反対するっておかしいって思う」
俺の言葉にみんなで顔を見合わせる。
「おい、翼!」
止める間もなく身体を反転させた翼が部屋を飛び出していった。
「止めなくていいとおもう・・・」
俺の服の裾を引っ張った舞が頭を抱えるようにうなだれるのが見えた。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
翼くんがいつの間に科遊ばれキャラになってます。
司に性格が似てるのは翼くんだと私も思ってます。
この二人が喧嘩したら!
やっぱりつくしの出番かな。