ジェラシーを情熱に変えて 14

ごめんなさい~

先週終わらせる予定だったのに更新もままならず・・・(;^ω^)

今日やっとでした。

桃井さんの嫌われキャラが鮮明になったところでもっと嫌われ者にしちゃいます。

今週こそ終わらせるぞ!

 *

ここ・・・どこ?

ホテルから出るつもりもなかった私はスマホも財布も持ってるわけがない。

なぜだかジーンズのポケットには飴が一つ入っていた。

遭難しちゃったら私の命をつなぐのはこの飴一つ。

手のひらの上の飴は頼りなく笑う。

もう!どうしてこうなるのよ。

必死にホテルの中でゴミ箱の中を見つめ続けた。

道明寺のタキシードなら直ぐに見つけられるはずだと簡単に考えていた。

会場から離れるたびに見つける確率は下がる気がした。

ちょっとした紙しか入ってないゴミ箱。

思わずロビーに置いてある椅子の下まで探した。

「お客様、何かお探しですか?」

そりゃ従業員にも声をかけられちゃうよね。

「タキシードが落ちてませんでしたか?」

私の返答に怪訝そうな顔を見せたのは当たり前の反応ちゃ反応。

「お部屋はどちらでしょう?」

コツコツと聞こえたパンプスの靴音。

ニコッと笑みを浮かべるのはこの場で一番私のことを知ってる相手。

「2016号室ですけど・・・」

わざわざここで私に部屋番号聞いて意地悪としか思えない。

朝から私につききりだった桃井さんが知らないわけがない。

わざわざ私に質問する意味がわかんないよ。

「失礼ですが・・・

その部屋はスィートルームで今日はオーナーがお泊りになってます」

「そう、そのオーナの部屋」

答えた私を不審者を見る視線で全身を見られてる。

それは空港でうける手荷物の検査でピーとひっかかって、こちらへと横に身体をずらされるような感じ。

変なドキドキがしてきた。

そうだよ!

着替えたんだった!

今の私はパーティーに参加できるような装いじゃない。

コンビニなら目立たないありふれた格好。

全身1万円にも満たないいでたち。

率直に言えば今私の立つロビーでも貧弱すぎて目立つ装い。

「そういえば、道明寺様・・・」

桃井さんが首をわずかに傾げて考えるそぶりを見せる。

考えなくても桃井さんが私のことを説明してくれればなんの問題もないはず・・・

「スト―カに悩まされてるっておっしゃってたわ」

ストーカー・・・

私?

違うっ!

ぶるぶると左右に首を振る私はもう感染に道明寺を追いかけるストーカーと判断されてしまってる。

左右両脇を抱きかかえられた私はそのままホテルの外に連れ出された。

「私は牧野つくし!

道明寺の婚約者で、一緒に来たの!」

鼻で笑われて相手にされずホテルの中に入るのを阻まれる。

仕方なくホテルの周りをうろつく羽目になった。

私・・・

桃井さんに何かした?

見つめる手のひらの飴。

心細いのは飴じゃなく私だ。

雪・・・?

手のひらの上に落ちた白い雪がゆっくりと解けた水滴に変わる。

見上げた夜空から降り注ぐ雪は白く光りに反射して私の上に落ちてくる。

髪に積もりそうな雪をバタバタと振るった。

雪は一向に降りやまず激しさを増す。

ホテルの位置を見失ったのか街灯の明りさへ見えなくなってきた。

30分程度の時間で積もった新雪が私の足を飲み込んで雪の中から足を上げるのも体力を奪う。

二度目の雪山遭難しちゃた?

それもホテル・・・

以前もそういえばホテルのそば・・・

あの時は記憶をなくなっても道明寺は私を見つけてくれたんだっけ・・・

「道明寺ッ!」

白い息とともに叫んだ声。

雪の冷たさが口の中に入りこむ。

「道明寺ッ!」

必死に叫ぶ声は暗闇の中に消えて溶け込んで消えていった。