祝 8周年
11月で、このブログも8周年を迎えました。
遅れて記事をアップするという醜態。
これは初めてのことだぁぁぁぁぁ。
二次を初めて10数年になります。
連載が終わると二次も終わったもんですが、花男は連載が終わって始めたことと、ドラマからはまったことが原因なのか、いまだに続いています。
熱しやすくて冷めやすい私の性格からしたらこれは奇跡かもしれません。
『楽しみにしてます』の応援があるから続けられます。
初めて二次の物語をUPした時のドキドキ感はいまだに忘れられません。
誰が来てくれる?
受け入れてもらえるのだろうか?
なんて考えながら第一話をUPしました。
最初の開設は今のFC2とは違う場所でした。
1か月程度で移転したんですよね。
アクセスが増えていくにつれ意欲が出てきたものです。
お付き合いくださる皆様に感謝!感謝!雨、あられ~。
一番感謝しなければならないのは俺様だろうが!
そんな文句が聞こえてきそうなので続きはショートでお楽しみください。
ある朝の風景
重いッ!
振りほどいても、振りほどいても・・・
幾度となくふり降りてきて、私の背中から抱きしめる腕。
起きれない!
もう時間なんだから!
思い切り振りほどいた反動で司の身体は大の字に天井を仰ぐ。
おっ!
起きようと身体を起こしかけたところで勢いよく反転した司の腕はしっかりと私をとらえてベッドの上に押し倒された。
そのうえ私の下半身から30センチは長い足が私の大腿から膝にしっかりと巻き付いているから逃げようがない。
寝てるふりしてるんじゃないでしょうね!
腕から、脚から逃げようともがくが網にかかった魚みたいに逃げられない。
「起きろッ」
必死で叫んだ喉元を塞ぐように司の腕が動く。
息ができない!
死ぬッ!
殺す気か!
本気でそう思った。
「うるせっ」
寝ぼけた不機嫌な声。
それなのにゆっくりと動いた腕はやさしく私を包み込むように私を胸元に引き寄せる。
頬に触れる吐息。
顔を動かした表紙に唇の端が司の息遣いと重なる。
幾度も迎えた朝。
二人で眠るベッドのぬくもり。
抱き合って眠る夜。
偶然、少し触れただけの唇にドクンと胸が高鳴る。
その間隔は初めて一緒に過ごした夜から薄れることないときめき。
司と知り合って8年・・・・
結婚して何年経ってるというのだろう。
「俺から勝手に、離れんじゃねぇよ」
少しかすれた司の声が耳元をくすぐるように響く。
「そろそろ、起きなきゃ遅刻しちゃう」
「遅刻しても誰も文句言わせねぇよ」
その言葉は何度も聞いてるよ。
司が遅刻しても誰も文句は言わないだろけど、私は違うの!
そう反論すれば「お前にも言わせない」って、返ってくる。
私が遅刻して司を恐れて何も言われないと思うけど私の気持ちが許さないの!
何度言ってもわかってくれないんだよな。
「ちょっとッ!」
胸元の隙間から差し込んできた指先がごそごそと私の肌の上を這う。
身体の下からうごめいてきたもう片方の腕はパジャマの上から太もも撫でているしッ。
「ダメだって、やめっ」
のしかかれる前にこの体勢を崩さなきゃ遅刻どころか会社に出勤できなくなりそう。
逆らう私の目の端ががちゃっと開きかけた部屋のドアをとらえた。
「誰か来た」
「誰も来ねぇだろ」
寝室を勝手にのぞく奴はいないって思いこんでる司。
必死で身体を起こした私が見たのはドアノブのちょっと上に出てる高さに見えるくるっくるの黒髪。
「ママッ」
幼い声に慌てて身体を起こしたのは司のほう。
「駿かよ」
髪をくしゃっかき分けてがくんと落ちる頭。
髪の毛の跳ね具合は鏡に映ったようにそっくり。
「おはよう」
パジャマの乱れを直しながらベッドから飛び降りて駿のもとに急ぐ。
助かったッ。
思いっきり駿を抱きしめる。
「そのくらい、俺も抱きしめろよ」
憮然と言い放った司がそのまま私たちの横を通り過ぎる。
司のほうが私を先に抱きしめるから抱きしめられないだけじゃないか。
拗ねた背中を見ながらクスッと笑みがこぼれる。
「ママ?」
きょとんと私を見上げる純粋な瞳。
「ん?」
ポンポンと軽く駿の頭をなでる私に。
駿がくるっと小さな手を私の首にまわすように抱き着いてきた。
司より、駿の方が小さい分思いっきり抱きしめられるかな。
そんなことを考えたのは司には内緒にしておこう。