だから一体なんなんだ!
マネキンシリーズ 第3弾!
*このお話は花男短編「こうしてドレスは作られた」の続編です。
出来ましたら短編を読まれた後お楽しみください。
*今日は牧野に振られた。
「優紀と買い物に行くからついて来るな!」と言いやがった。
仕方なくベットでふて寝している俺のもとへ珍しく総二郎とあきらがやってきた。
今日はどいつもこいつも暇らしい。
たわいない話で暇つぶす。
ふと総二郎が窓際のマネキンに目をやった。
「なんであんなマネキン置いてあるだ?」
「別に・・・タダなんとなく」
「ふ~ん」
ソファーから立ち上がりマネキンに近づく総二郎。
なんでお前がマネキンなんかに興味を持つ!?
タダの変哲もねえマネキンだぞ!
普段なら俺の部屋にあるもん何にも興味示さないだろうがーーーー
今回はこいつらが遊びに来るといった時点で、別にマネキン隠す必要はねえだろうと考えた。
そして、俺は部屋の隅っこにマネキンを追いやっていた。
一瞬ドキリと胸の鼓動が速くなる。
まさか・・・気がつきゃしねえだろう。
平常心、知らんぷり、興味なし!
総二郎の目配せでなぜかあきらまでマネキンに接近だ。
いったいこいつら何なんだーーーー
生身の女ならともかく、どこをどうしてもタダのマネキンだぞ!?
なんで近づく!
それでもあいつらに背を向け寝ころんで、平常心、知らんぷり、興味なし!
のつもりだが・・・心臓はさっきよりバクバク言い出した。
「なんか、このマネキン・・・ちょうど牧野の身長ぐらいじゃねえ?」と総二郎
「えっ!そうか、もうちょっと牧野の方が低くねえか?」心臓バクバク60%達成。
「いや、やっぱりこのマネキン牧野サイズだよな」とあきら
「そうか?俺・・・気がつかなかった ハハハハ」心臓バクバクもうすぐ80%越え。
「「案外この胸も牧野サイズだったりして!?」」
ベットから思わず飛び起きた俺。
心臓ドキドキMAX超えた。
あいつらマネキンの胸!触ってやがった。
「わあああああああーーーーー触んなーーーーー」
あいつらの前からマネキンを一気にかっさらう。
「やっぱりな」二人でにやりと笑いやがった。
「おまえ・・なんかサルが自分の好きなものとられねえように胸の中に両手でしっかり抱いてる図だぞ、それ」
俺を指さし笑いをこらえてやがる。
「司はサルよりは凶暴なゴリラだろうが」
「ブッハハハハハハハーーー」二人で腹抱えて笑いだしやがった。
「この、マネキンどこで拾ってきたんだ」とあきら。
「この前、パーティーで牧野に着せるドレス作るとき、サイズ決めるために作らせた」
ふてくされながら素直に答える俺。
「どうやって作った?」
「俺の感覚」
「さすが司だな」とまた馬鹿笑い。
「これ・・・牧野知ってるの?」
痛いところを突いてきやがる。
「知らない」
「そうだよな。これ見つけた時の牧野の反応見てみてえーーー」
息も絶え絶え涙を流して喜こぶ総二郎とあきら。
もしかしてこのマネキンに添い寝してもらってないよな?なんてふざけたことぬかしやがった。
まだそこまではしてねえよと心の中で叫ぶ。
「てめら!絶対牧野に言うなよ!」とマネキン抱えて叫ぶ俺。
なんだか嫌な予感が頭をよぎった。
またまたマネキンつながりです。
類の反応は・・・あんまりインパクトなさそうで今回の参加は見送りました。