ないしょ ナイショ 内緒
マネキンシリーズ 第2段
*このお話は花男短編「こうしてドレスは作られた」の続編です。
出来ましたら短編を読まれた後お楽しみください。
お粗末でした。*
あいつのドレス作るためそのためだけに作らせたはずの牧野マネキン。
なぜか今、手放せず俺の部屋に生息中。
・・・て、生きてるわけじゃあねえけどな。
つるつる真っ白ただの置物マネキン人形。
俺が何度も何度も抱きしめて体で覚えた牧野の形にそっくり、完璧作らせた。
それを手放す奴がどこにいる?
この前牧野が置いて行った服着せて、つるつる頭にストレートのウィッグのせて、のっぺらな顔には牧野の顔写真。
いつも俺の部屋に牧野がいるみてえじゃねーか。
これ見て、にやつく俺って・・・やっぱヘン?
牧野・・・
このマネキン見たらどう思う?
喜ぶ?マジギレ?軽蔑?笑われる?
「トントン」
誰かが部屋のドアをノックする。
渋々部屋を開けた俺は一瞬で固まった。
ま・・・まきの!」
慌てた俺はドアを思いっきり閉めた。
「痛いっ、なにするの!鼻打ったじゃない」
ドアの向こうからイラッとしてるあいつの声が響く。
「ちょっと、待て!」
「今部屋に入るな!」
「片付け中!」
「絶対ドア開けるな!」
入室禁止の言葉を数珠つなぎに発射する。
慌ててマネキンの隠し場所を模索。
手っ取り早くベットの下へ投げ入れた。
冷や汗拭いて恐る恐るドアのノブを回す。
「やあ!牧野」
とってつけたような笑いで牧野をごまかす。
「ねえ、なに隠した?」
「えっっ!何も隠してねえ」
いきなり確信突いてきやがった。
俺の目をじっと見つめるあいつの目。
その瞳の奥にどぎまぎとした俺の顔が映っている。
今にも唇が触れ合いそうな位置。
普段ならこのままあいつにやさしくキスして抱きしめるはずなのに・・・。
マネキン見つかったらヤバいと思う気持ちに思わずあいつから目をそらす。
「もしかして・・・エッチビデオとか・・・隠した?」
「俺はそんなもん持ってねえ!」
「お前のこと考えるだけで十分だ!」
俺・・・
結構すごいこと言ってねえか。
ベット周辺を物色してたあいつの動きがピタッと止まる。
そして真っ赤な顔で俺を睨みつけた。
・・・・みつかった?
いや・・・なにも気がついてねえ。
たんに、俺の言葉で赤くなっただけのようだ。
ホッとため息が漏れる。
この状態でマネキン見つかったらもっとすごい想像されそうだ。
こうならやけだ!
力で牧野をベットの上に押し倒す。
いきなり目を見開き固まる牧野にお構いなく思いっきり唇押しあてた。
もごもご文句言ってる唇が大人しくなったころ、白いうなじに唇を移動させる。
このベットの下・・・
マネキンがあるんだよな・・・
そんな考えがふと頭の隅に浮かぶ。
初めてこいつに秘密をもった。その秘密がマネキンとは・・・
なんだか情けなくなってきた。
このマネキンつながりのお話・・・
数話いけそうな気配が・・・
書いても大丈夫でしょうか?