こうしてドレスは作られた
マネキン編 第1弾!
*この短編、花男2次小説第5話「嵐は突然やってくる」の中で自分のサイズにぴったりのドレスに疑問を持つつくしに「俺がお前を抱きしめた感覚でマネキン造らせた」と答えた司の一場面を短編として書いてみました。
こんな感じでどうでしょうか?
*いつか、絶対あいつをエスコートしてパーティーへ連れて行く!
あいつに「絶対ヤダ」と全否定された日に俺は誓った。
まずはあいつが断れないシチュエーションを設定して無理やり強制的にOKさせる。
おっと!
俺としたことが大事なことを忘れていた。
あいつに似合いそうなアクセサリーにドレスに靴!
なにも持ってないだろうから俺様が全部そろえてやらなきゃな。
ドレスは作るの時間かかるだろうからデザイナー呼んで早速作るように言っとくか。
数日後いくつかのデザインの中からあいつに似合いそうなものをピックアップする。
「失礼ですがこちらのドレスを着られるお嬢様のサイズをとらせていただきたいのですが?」
と担当者が俺に聞いてきた。
俺は牧野に内緒にしておきたい。
サイズなんて測らせられるか。
あいつの身長は・・・
俺の頭一つ下のこんくらいと、自分の首下で手を振って見せる。
腕の長さは・・・
あいつが俺の腰に腰を回すと、この辺で10センチ程余る程度かと背中で自分の腕を組んでみる。
これじゃちょっと解からねえ。
手をつなげばこんなもん?
空想の牧野と手をつないでみる。
ウエスト・・・
結構ほせーよな。
両指でわっかを作る。
腰の高さは俺の太ももあたりか・・・
胸は俺の手のひらにすっぽり隠れるいい形だ。
自分の手のひら見つめなぜかポッとなる。
「申し訳ありませんが・・・それでは造りかねます」と担当者は寝ぼけたこと言いやがった。
「お嬢様を連れてきてもらえれば簡単にことは済みますので・・・」
「それは無理」と担当者を睨みつける。
サイズを測るためには牧野の代わりがいるわけで・・・
なにかないか?代わりになるもの?
俺はピン!とひらめいた。
マネキン作るっていうのはどうだ!
次の日数十体のマネキンが俺の屋敷に運ばれる。
身長は・・・
こいつでいい。
選んだマネキンに遠慮なく抱きつく。
牧野以外に抱きつくのって久しぶりだ。
胸はこのマネキンの方がある。
ちょっと硬いけど・・・
牧野の胸は・・・
柔らかくて俺の手のひらに吸いつくようになじんでくる。
俺って・・・
なにマネキンで想像してるんだ!
これじゃ俺はあぶねえ男みてえじゃねーか。
慌てて首を振り牧野の妄想を振り払う。
「ウエストは後3センチ細めで頼む」
「ヒップはあと5センチ小さめで・・・いや3.5?」
何度も何度マネキンに抱きついては指示を出す俺。
どっからみても変質者にしか見えねえ。
俺の指示でノートにサイズを書き入れる担当者の肩が笑っているのがわかる。
まずはこのサイズでマネキン造らせた。
数日後出来上がった牧野サイズマネキン。
なかなかどうして全部が俺の理想にぴったりだ。
これで牧野が普段着てる服着せて、つるつる頭にストレートのウィッグのせて、
のっぺらな顔には牧野の顔写真。
ドレス作ったらこのマネキン俺の部屋にでも飾っとくか。
ベットで抱いて寝るてこともできるぞ!
俺・・・
やっぱり危なくなってるよな気がした。