邪魔者は・・・? 3
邪魔者は・・・2からの続きです。
*「おい こっちの方が面白いぞ」
突然道明寺が後ろからしんちゃんを持ち上げると自分の肩に下ろし、しんちゃんの両足をささえて肩車をした。
げーーーどうしたの?
何考えてる?
思いもよらぬ道明寺の行動に拍子抜けしてさっきまでの私の怒りが影をひそめてしまった。
道明寺なりにしんちゃんと仲良くなろうとしてるのだろうか?
まあどうでもいいか、なんて気分になって私の機嫌も上昇する。
二人の横に歩みを進め寄り添う様に歩いてみる。
道明寺の肩の上、「仕方ないからさせてやってるんだからな」て、毒づいてたしんちゃんも、今は結構居心地よさそうにしている。
しんちゃんの髪の毛もウエーブのかかった柔らかいカーブを描いている。
ちょっとませて大人ぶって見せる仕草も、道明寺の子供の頃ってこんな感じだったのかな、なんて、私に連想させてしまうのだ。
「さっき親子に間違えられたよね」
「そうしてると結構似てるよ」
「「似てねえ!」」
二人同時に私に顔を向け、クルックル天パーのそっくりな髪型で大小の顔が眉を吊り上げ私を見下ろした。
やっぱ似てるーーーー
思わず「プッー」と吹き出す。
「まあ・・・こんな感じも悪くねえ」
「近い将来の予行練習みたいなもんだろう」
ぶっきらぼうに言いながら道明寺が赤くなった。
「まだ気が早いんじゃない」そう言いながらも私の頬も熱くなる。
自然に道明寺の上腕にそっと私の腕をからめた。
まんざらでもない感じに道明寺の頬が緩む。
道明寺の視線とぶつかって、私もにっこりほほ笑んだ。
突然場面に合わな道明寺の声が聞こえだす。
「馬鹿!よせっ!前が見えねえ!」
しんちゃんが道明寺の目を両手で塞いで自分の存在を誇示していた。
慌てて道明寺がしんちゃんの手のひらをはがしにかかる。
しんちゃんは悪戯されないように頑丈な手に両手をガシッと捕獲されてしまった。
見た目にはますます仲良くなっている感じだが、まるで磁石のプラスとプラスで反発しているみたいだ。
帰りまで仲良くしてくれるといいんだけど・・・
「これで何にも出来ねえだろ」
大きな子供は満足げに首を上に向け鼻から「フン」と息を吐いた。
眉がキッとつり上がったしんちゃんが首を道明寺の頭の前にきゅっと曲げるのが見えた。
「イタッ!こいつ鼻かみやがった!」
思わぬ反撃に、しんちゃんから片手を外し鼻をさすっている道明寺が見えた。
道明寺の肩の上、満足そうにしんちゃんが鼻から「フン」と息を吐いた。
道明寺の精神年齢が子供なのか・・・
それともしんちゃんの精神年齢が高いのか・・・
この二人・・・
結構いいコンビじゃないのかな?
そう思ったらその二人の仕草に私は笑いをこらえることができず「プッッッッーーー」吹き出してしまっていた。
今回はしんちゃん完全無視の状態でアマアマでいこうかなと思ったのですが・・・
途中であきらめました。
(そのために司君に肩車させたんですけどね)
今回のバトルは引き分けでしょうか?