Birthday(tukusi 3)

*

「もう!予定が狂った!」

責めるような眼で見つめられた。

「今日、私の誕生日だよね?なんだかいい様にされているように感じるんだけど」

上目づかいで俺を見つめるつくしの目がうるんでて、いじらしくて愛しさが増していく。

そんな目で見るから歯止めが利かなくなるんだ。

そして・・・

またいじめたくなる。

思えば今朝からずっと我慢してたんだ。

店で買い物中に俺に腕をまきつけてすり寄ってくるこいつからほのかに香る甘い匂いに心が揺れ動いた。

抱きつきたくなる衝動をグッと何度押さえ込んだことだろうか。

拒否されるの目に見えていたからだ。

歩くたびに微かに感じるつくしの胸の感触に、なまめかしい夜を思い出す。

こいつとそんなこと出来るの俺だけだ。

優越感でおかしくなりそうだった。

ほかの奴らには関係ないことだろうけど・・・

ご機嫌に笑顔を振り向いているこいつの横でそんなこと考えていた。

別荘につくまでに俺の理性と本能のバトルは最終戦までもつれ込み・・・

延長戦までは持たなかっただけの話。

調理場に立ち機嫌よくほほ笑むあいつを我慢できずに抱き寄せる。

拒むような言葉を聞きたくなくて貪るように口づけた。

唇を首元に移動させながら片手を伸ばして大腿の間に割り込ませる。

つくしの抵抗も形だけのものだと、かすかに開いたつくしの唇から甘い吐息が教えてくれる。

狂おしいほどの恍惚を印したはずの時間は瞬く間に過ぎ去った。

目の前でつくしが身支度を整えて、ため息ついて立ち上がる。

さっきまでの甘い余韻は何処へやら・・・

「たいした料理は作れないじゃない」

「まずくても文句言わないでよ」

つくしがすねた目で俺をにらみながら「クス」と口元をほころばせた。

文句なんて言うわけない。

食事なんてどうでもいいと言うのが本音なのだから。

つくしの腕をとり自分の方に引き寄せる。

床に座り込んだままの俺の膝の上に体勢を崩したままのつくしが倒れ込んだ。

「食事なんてあるもんでいい」

「時間がもったいないだろう、一晩中二人っきりで一緒に過ごすんだから」

つくしを抱きしめながら耳元で囁く。

「私が言ったのはこんな事ばかりすることじゃなくて・・・」

「手料理作って一緒にいっぱい話がしたいってこと!」

俺の胸を突っ張って引き離そうとするつくしの顔をじっと見つめる。

「こんな事って・・・どんなことだ?」

意地悪く言った俺の言葉につくしが頬を染めて腕の力をゆるめた。

つくしの返事を待つ代わりに細いうなじに唇を落とす。

「わぁーーーちょっと待って!」

「服着たばっかりで無理だってば!」

「さっきから言ってるでしょう!」

俺を力いっぱい押しのけて少しはだけた胸元をギュっと握りしめて白い肌を隠す。

とうとうマジに怒らせたみたいだ。

頬膨らませて恨めしそうな目で睨まれていた。

服着たばかりって・・・

すげえいい訳。

俺はまだ生まれたまんまの姿だから全然問題なしだ。

おかしさがこみ上げて大声で笑う。

「この別荘、露天風呂あるぞ」

キョトンとした顔でつくしが俺を見つめる。

「え?えっ?」

「一緒に入ろうと言ってんだ」

「えっーーーー」

つくしの反応などお構いなく両腕で華奢な身体を抱きかえ風呂場まで歩く。

手足をばたつかせて抵抗を見せるつくしを抱いたまま露天の中に飛び込んでやった。

濡れた生地に下着が透けてやけに色っぽくてじっと見ていた。

「もう!ヤダ!」

呆れたような顔でつくしが頬を膨らませる。

今さらそんな顔されても俺の気分を煽るだけのものだと未だに気がついてない鈍なやつ。

これで服を脱がないといけなくなった状態を作ってやった。

いい訳なしだとニンマリと心の中で笑っていた。

Birthday(tukusi 2)ではたくさんの拍手ありがとうございました。

1日の最高拍手数をいただきまして驚いています。

今回も自分で墓穴掘ってしまった感じがしないではありませんが本当に感激しています。

この続きはどうなるのでしょう?

また拍手をーーー

止めておこう・・・