Birthday(tukusi 2)
*「今から明日までは二人っきりだ、わずらわしいものはなんもねぇ」
車のハンドルを操りながらこぼれそうな笑顔を道明寺が私に向けた。
今日は私の誕生日なはず・・・
お祝いされる私よりお祝いしてくれるはずの道明寺の方が機嫌がいいのに思わず笑顔がこみ上げる。
人の多いところは避けて警備がしっかりしてる道明寺所有の別荘、それが今回の旅行の行き先となった。
もっと洒落たいいところなんてブツブツ文句を言っていた割には朝から大いに乗り気で道明寺は子供みたいにはしゃいでいる。
「私の誕生日だって忘れるなよ」心の中でボソッとつぶやいた。
「途中で買い物しなきゃね、忘れずにお店に寄ってね」
インターチェンジを降りたところで道明寺に指示を出す。
今日は料理人も断って私が腕によりをかけると宣言した。
誕生日は洒落たレストラン予約して外食が定番だろうけど、普段が人の作った料理しか食べてない生活。
私達には自分で料理作るのが特別なように感じられる。
道明寺と結婚するまではなかった感覚だ。
目についたお店の駐車場に車を止めて自動ドアをくぐる。
後ろからカートを押して道明寺がついてきた。
「こんなの初めてだね」
「会社の奴らには見せられねェ」
照れながらも面白そうにカートを押して目についたものを勝手に道明寺がカートに入れていく。
「これ高い!いらない!食べない!」
入れた先から私が品物を元の場所へと戻してやった。
ああだこうだとじゃれあいながら楽しんで1日分の食料を大幅に超える買い物をしてしまっていた。
別荘について車から荷物を下ろす。
見た目はプチホテルと見間違うような洒落た作りの別荘。
こんな建物も滅多に使わないと言うんだからもったいない話だ。
「ここうちの別荘でも小さい方だぞ」
中に入って驚くように見回す私に「クス」と道明寺が笑って言った。
「ねぇ別荘ていくつあるの?」
「知らねェ」
そんなにあるんだと驚きながら納得する。
別荘の中はすぐに使えるように行き届いた準備がされてあった。
店で買ったものをとり出して冷蔵庫へ入れていく。
道明寺もなぜだかノコノコついてきた。
「見てるだけなら手伝って」
「俺、見てるだけでいい」
「なにを?」
「お前」
ニヤリと口の端を持ち上げて道明寺が私を見つめてる。
「もう!ヤダ!」
思わず頬を染め手に握っていた林檎を一つ投げつけた。
「あぶねぇッ!」
受け止めた林檎を持ったまま私にゆっくり近づいてそして抱きしめられる。
「苦しい・・・」
「邪魔しないでよ」
強く抱きしめている道明寺の腕の中から非難を込めて睨んでみる。
「邪魔してねぇ、欲情してるだけ」
唖然としてる私の顔に道明寺が顔を近づける。
よ・・・くじょうて・・・
だから・・・
それが邪魔だって言うんだーーーー。
熱を帯びた様な目で見つめられ・・・
無下にも出来ずに拒否する言葉を飲み込んだ。
無駄だと解かっていても・・・
それでも頭の中で格闘しながら微かな抵抗を試みる。
「料理の準備出来ない・・・」
「もう少し大人しく・し・て・」
うるさいとでも言う様に強引に唇を塞がれた。
手なれた仕草で動く道明寺の指先のされるがままに、私の服は徐々にはだけていく。
テーブルの上に置かれていた林檎がコロッと床に転げ落ちた。
誕生日編の続きのお話です。
この後のお話どうしましょう?
まだいけそうですか?
いけそうだと思われたらプッチの拍手お願いします。(^_^;)