ジェラシーを情熱に変えて 9

ちょいと、横道の短編を押し込んでの再開です。

あっちはたぶんあの後甘い~感じになってるはず・・・

え?

ソッチも読みたい?

たぶんこっちに負けないほど甘いお話になってる気がします。

Pwつきのお話連ちゃんも記念の流れとしてはいいのかもしれませんね。

書けるかな?(;^ω^)

 *

なんなの?

ここで私を置き去りに立ち去った道明寺。

そんな道明寺の後ろ姿を素直に見送るとでも思ってるの?

突然変異!

いきなりの脱皮!

蛇の抜け殻を私の目の前に残してするすると逃げられた感がある。

いつもならこのまま会場に戻らずってことも確かにあったよね。

二人の時間を大切にしたいとか・・・

これ以上邪魔されたくねぇとか・・・

こんなところで私を一人に置き去りにする道明寺は初めて。

着替えを口実にこのまま二人の時間を過ごすってこと・・・

ちょっとは考えてたんだから。

まってとは、叫ばないけど追いかけたい心情はすでに私を突き動かしてる。

会場に戻る道明寺に追いついたのは直ぐ。

そこで私がみた道明寺の行動。

なんか変?

会場の前に設置されたゴミ箱を中を除きこんでる。

道明寺とゴミ箱。

滅多に見ない組み合わせ。

道明寺がゴミ箱の位置を確かめて物を捨てるなんて習性なんてないものと思っていた。

え?

腕をつきいれて何かを取りだした。

それを破りそうな勢いで触ってる。

上着みたいだけど・・・。

ゴミ箱を覗き込む道明寺も珍しいと思ったけどゴミ箱の中からごみを拾い上げる道明寺なんて二度と見れないって思う。

放心状態のその表情にガクリと落ちた肩。

クイッと首をもたげたその表情に怪しく光る瞳。

殺気まで感じる鋭さが宿る。

どうした?

何が、あった?

冷ややか、冷淡、蒼白、

どれだけでは表現できない冷気を感じる。

会場の中に戻った道明寺を追いかけて私もあとを追う。

誰かを探す素振りを見せる道明寺。

近づこうとする私を阻むように声をかけてきたのは幾人かの招待客。

道明寺の婚約者だということはばれてるからなのか、やたら愛想よく声をかけられる。

道明寺に近づけないよ。

なんとかの会社を経営してるとか。

道明寺にお世話になってるとか。

これからもいいお付き合いをとか。

言われても今の私には記憶が残らない愛想笑いを浮かべるしかできない。

それどころじゃないからッ。

イタ!

道明寺!

ようやく抜けた人ごみの先で見つけた道明寺。

真剣な表情の道明寺の先にいたのは桃井さん。

詰め寄る素振りの道明寺に余裕の笑顔を浮かべる桃井さんが見えた。

道明寺の肩に置かれた右腕。

そっと置かれたその腕は道明寺の肩の上に顔を引きよせるように動くのが見えた。

朱く唇に乗せたルージュの色は濃艶に光る。

ふっとまっすぐに伸びた桃井さん視線が私を捉えて怪しい光をたたえたように思えた。

今すぐその腕を振り解いてよ!

私の感情に答えたように動いた道明寺の腕が彼女の手首を強く握って突き放すのが見えた。

それじゃ遅いよッ。

いつものあんたならもっと冷たくて、肩を触らせることもないと思う。

無性にムカついて腹立たしさを覚えてしまってる。

なんなのそれッ!

桃井さんより動作の鈍い道明寺のムカついてしまっていた。