花に嵐のたとえもあるが・・・おまけのはなし4

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お~ッ!

心の中で感嘆符上げていた。

食事から帰った部屋は模様替え。

さっきと断然雰囲気が違ってる。

テーブルがなくなって布団が2つ引いてあるだけなんだが、いつでも寝れる準備が出来あがってる。

「別に一つでもいいんだが・・・」

思わず口から想いが出ていた。

牧野にも俺の言葉は聞こえたようで、「ギクッ」って牧野の気持ちが俺にも伝わる。

俺の横で手足を同時に出す感じに牧野が布団をさけて窓際の椅子に腰かける。

部屋に入ってから全然俺と目を合わせようとしない。

緊張してんじゃねぇーよ。

あいつが緊張してるから俺には余裕ってやつが生まれてくる。

襲ったりしねぇと言ったらますます警戒されそうだから黙ったまんま見つめてやった。

「な・・・なに?」

警戒心丸出しの焦った顔。

その顔は耳まで真っ赤で頭から湯気が出てっぞッ。

今さら照れる関係でもないはずだ。

ここには二人っきりで邪魔な奴はいない。

遠慮も恥も外聞もない!

あるのは牧野の羞恥心。

これが一番厄介だから大変だ。

それも結構喜んでいるんだよな・・・俺。

「俺、旅館て泊まったことないから、勝手に部屋に布団が敷いてあるから驚いた」

一つの布団に大の字で寝る。

牧野が2度見状態で俺を見て視線が固まった。

「なあ?一緒に寝るか?」

視線を外して聞こえないふりに徹する牧野。

そのくらいじゃ今の俺はめげないぞ。

「あっ!私フロしっかり入ってないから入ってくる」

飛び出す様に露天風呂に向かってく。

その後ろ姿を見送りながら笑いを押さえるなんて出来なくなった。

笑いつかれて「はぁ」とため息。

目線を下げた左横、二つの布団の位置に少しの距離を見つける。

気にくわねぇ・・・

二つの布団を阻む畳の距離10センチ。

俺と牧野の密着を阻んでいるように思える畳のヘリの部分。

無駄な部分は無くすに限る。

賭け布団をめくって、布団をピタッと寄せてくっつけた。

一ミリの離れも許さないように。

牧野!

いつ風呂から出てきてもいいぞ!

音程を弾ませながら口に出る。

布団も結構いいものだ。

ニンマリしながら掛け布団を元に戻す。

湯あがりに浴衣姿の牧野。

初めてのシチュエーション。

高鳴り出す胸の鼓動。

浴衣って服と違ってどこからでも指が入って脱がせやすいし・・・。

考えて・・・

想像して・・・

そして熱くなる。

天井見上げて大の字に寝てられなくなって・・・

うつぶせた。

俺!どうすんだぁーーーーーッ。

牧野が出てくるまで持ちそうもねぇかも。