進の姉貴夫妻観察日記 3(抱きしめあえる夜だら 番外編)

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夕食時食卓にのぼる豪華料理。

わが家にしたらの話だけど。

夕食3日分の料理が並ぶ。

今度いつあるか分からない姉夫妻のご帰還。

レアなのは道明寺さんが姉貴の傍でやたら頬を緩めていると言う事。

お口あ~んなんて姉貴がやったら喜んで口を開けそうな経済会トップなんて普通いないよな。

姉貴がそんな態度するとは思わないけど見てみたい気が半分。

恐いもの見たさという奴か。

ボ~ッと見ててご飯を食べるの忘れてた。

オヤジはなんとか道明寺さんに慣れたみたいでビールを注がれて喜んでいる。

嫁さんの実家で過ごすってどんな感じなのだろう。

道明寺さんのツンデレ状態は僕の後学のためとはならなそうだ。

姉貴とおふくろは食事のあとかたずけ。

食器を運ぶのを僕も手伝う。

テレビの前のソファーでくつろぐ道明寺さんとオヤジの間に割って座った。

「司君、先に風呂にでも入ってくれ」

オヤジの声にすぐに反応して姉貴が動く。

リビングを出て戻ってきた姉貴の手には真新しい着替え一式。

おふくろと話していても道明寺さんの様子を気にしている瞬時の反応。

姉貴も結構かわいいところあるんだと気がついた。

「道明寺、これ着替え」

「行くぞ」

手渡そうとする姉貴の手元はスルーして道明寺さんのが姉貴の肩を抱き寄せる。

その仕草が大胆でドキッとする僕はまだ免疫ができていない。

「一緒に入ってきます」

道明寺さんの声に「わ~あ~っ」大胆と思いつつ目にはいった姉貴の顔は引きつっている。

ここで僕が照れたら姉貴のことだ道明寺さんから逃げ出しそうだ。

ここはひとつ僕が味方になる!

変な連帯感が生まれてた。

「行ってらっしゃい」

明るく声をかけて見送った。

俺って結構いい弟だ。

聞こえてくるのは・・・

「どこ触ってるの!」

「ヤダ!もう!」

「逃げんな」

拒否する言葉も楽しそうでいたたまれないようにオヤジは台所のテーブルに席を移した。

道明寺さん・・・

姉貴のどこ触ってるんだか・・・

想像してポッとなった。

姉貴と風呂入ったのって小学校の頃が最後だもんなぁ。

子供の頃とは見るところもすることも感じることも違う男女の仲。

あの大人一人が入ったらいっぱいいぱいの湯船をどう使うのか。

膝抱えて二人向かい合っている?

道明寺さんの上に姉貴が乗っかって・・・

姉貴の裸体なんて想像するつもりもないが考えてしまうのは健全な証。

興味がないと言ったらウソになる。

彼女と一緒のフロなんて結構そそるもんなぁ。

親がいるところでなんて僕には出来そうもないけれど。

気にならないようにチャンネル変えてテレビのボリュームを上げる。

ほどほどでお願いします。

どこまではほどほどか分からないままに祈っていた。