HAPPY LIFE （ クリスマスの夜に 2）

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「西田、最高！」

満面の笑みでシャンパングラスを頭の上まで持ち上げて響く感嘆の声。

ソリの上のサンタが赤い三角帽を取って頭下げた。

その下に現れる白い髪。

最高に凝っている。

優しく目を細めている様にサンタが見えるのは普段つけてるはずのメガネがないせいだけじゃないと確信している。

きっと司の短い言葉は西田さんには最高の褒め言葉なはずだ。

「西田さん最高！」

真似するように叫んでみる。

口元は白ひげで覆われてるはずなのに、にっこりと西田さんがほほ笑んだ気がした。

乾杯を合図ににぎやかさにも拍車がかかる。

眠たそうにあくびをした駿も今はそれを忘れたように興奮気味に奇声を上げている。

もう誰が駿を抱いてるのかわかんないよ。

「・・・・ン？」

駿が居場所を変えるたびに一度は通る通過点。

お母・・・様？

桜子からお母様を通過して西門さん。

西門さんから滋の前にまたお母様？

次はタマ先輩・・・

お母様の上品な高そうなドレスの胸元は駿のヨダレがついてるようなテカとした光。

駿の口元をシルクのハンカチが拭きあげる。

勿体ないッ！

・・・って感覚はないよね。

あんな楽しそうなお母様を初めて見た気がする。

「お袋もばばバカは半端じゃねえよな」

「ＮＹにクリスマスが終わったらとんぼ帰りするみたいだ」

アホらしいと言いたげな表情も目だけは笑ってるんだけど司クン。

「子供より孫はかわいいみたいだしね」

我慢できずに笑い声が口から洩れる。

どっちも似たり寄ったりのバカぶりだと思うけど。

孫をあやしてほころぶ顔。

子供を喜ばせようとサンタの変装のパパ。

道明寺財閥のＴＯＰ二人。

信じられないような光景。

鉄の女はどこだ？

冷静、冷淡、精悍な顔も緩んでる。

速報が流れるんじゃないかと思われる重大事件？珍事件？

そんな二人が嫌いじゃない。

肩を抱く様に引きよせられた身体をそのまま赤い胸元に預ける。

ブロード生地の心地よい肌触り、それ以上の暖かさにつつまれる喜びは幸せな気持ちを呼び起こす。

「こら！俺らに子供の相手させていちゃついてるんじゃねぇよ」

いつの間にかサンタが4人になっていた。

「るっせ。邪魔すんな」

肩に置かれて腕がギュッと力を入れて抱きしめる様に動く。

「相変わらずだねぇ」

呆れた様な表情がフッと笑いを洩らす。

私に言わせれば司をからかう状況を楽しんでいる美作さんも相変わらずだ。

「これならサンタがコウノトリに変わるのも早いんじゃない？」

花沢類・・・

染まる頬にドキッと高鳴る胸。

「それはない！」

「こら！なに強気で否定してるんだ！」

「えっ？あっ？」

不機嫌そうに歪む顔が目の前まで近づいて鼻先が頬に触れる。

「俺と子供作るのイヤなのかよ」

そんなあからさまに言うな―――ッ

周りのサンタからニンマリとみられてるような気がする。

「ほら、まだ駿に手がかかるし・・・」

「もう少し後でもいいかな・・・なんて・・・」

身体を離すように胸元を両手を突っ張る。

身動きもしない強靭さでピクリともしない密着度。

しっかりと腰を抱かれた状態は変わるわけがなかった。

「お前らが消えても詮索しねぇから」

「俺らにはお構いなく～」

「子供の面倒も見てやるよ」

困ってる私を無視して無責任な声が聞こえてきた。

400個目の記事となります記念作品で～す。

HAPPY LIFE　（ クリスマスの夜に　2） お楽しみいただけたでしょうか。

こうして聖夜は更けていく♪

拍手コメント返礼

RICO様

司も案外『俺の時より優しいんじゃねぇ』なんて思ってたりしてるかもしれませんよね。

＞今度はつかつくと楓さんの食事場面を読んでみたいなぁ……

駿君いないと場が持ちそうもないですよね。

４人での食事風景は面白そうだなぁ。

楓さんからの駿君へのプレゼント、ウサギのぬいぐるみだったりして～♪

それ見てまた司が拗ねる図。

どうですか？

b-moka様

どこも親よりじじばばの方が孫を甘やかしていますよね。

今の子供はうらやましい。

Ｆ４サンタからのプレゼントは何をもらいます？

たとえクリスマスカード１枚でも宝物にしそうです。

こう様

なかなか仕事に復帰できないつくしチャン。

喜んでいるのは司だけ♪