第14話 DOUBT!!  7

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-From 1 -

キスされてるーーーッ!

ほっぺだけど・・・。

数センチずらせばそこは道明寺の唇。

見せつける様に、しなやかな下肢は道明寺のすらりとした足に巻きついているようで・・・。

実際は巻き付いているのは道明寺の首元に腕だけど・・・。

胸元には豊満な胸を押しつけて、全体的に艶美な印象。

私には無理だ。

なんで振りほどかないのよーーーッ。

鼻の下伸びてるッ。

「伸びてないよ」

聞こえてきたのは花沢類の落ち着いた声。

「えッ・・・アッ・・・」

独り言聞かれてしまってた。

「どうみても司は不機嫌きわまりないって顔だけど」

「そうは見えないけど」

ニ度と道明寺なんて見るもんかと花沢類に促された反対の方向に顔を向ける。

でも・・・

視覚以外の感覚はすべて道明寺に集中してしまってる。

クスと聞こえる小さな花沢類の声も聴覚が捉えてしまってた。

カンのいい花沢類は私の態度に気がついてしまってるはずだ。

素直じゃないねと聞こえてきそうで高鳴る鼓動。

「司、女の手を振りほどいたよ」

「・・・」

「何かもめてるみたいだけど」

「・・・・・っ・・」

ところどころで実況中継を入れてくる花沢類。

我慢できずに道明寺に視線を戻してしまってた。

「ガシャーン」

会場に響き渡るガラスの破壊音。

流れてた生演奏の音も止まり静まりかえってしまってた。

じっと注がれていた周りの視線は見てはいけないとでもいうようにわざとらしく道明寺から外されていく。

遠慮なく視線をむけているのは当事者と西門さん、美作さん、花沢類と私くらいのものだろうか。

数秒後には演奏を開始するテンポの軽い曲。

会場の空気を変えるようにと必死で演奏してるのが私にもわかる。

何か言葉を発して女性をじっと見つめてる道明寺。

冷気を発する様な冷たさと皮肉る様に口角を上げて作った笑い。

高校時代に人を笑いながら殴っていた時よりも冷酷さがましてる様に思える。

こんな道明寺・・・初めて見た。

女性がモーションをかけただけにしてはあり得ない様な道明寺の態度。

「人一人殺しかねない」

花沢類が横でぽつりと漏らす。

「何かあったの?」

「ここしばらく司は牧野に連絡取らなかったろう?」

「うん」

「その原因があの女ってとこかな」

「私に会わなかったのが?」

「命を狙われていたんだ」

「脅迫状が送り付けられてたらしい」

花沢類は手のひらでワイングラスを回しながらなんでもない事だという感じの素振りを見せる。

「道明寺、こんなとこに来てる場合じゃないじゃない!」

クスッと笑いとともに花沢類の口元から息がフーッと漏れた。

的外れなことでも言ってる?

なんだかバカにされた気分だ。

「司じゃなくて、命を狙われてたのは牧野、君だよ」

「・・・」

「・・・・・って」

「えーーーーーッ!私?なんで!?」

そんなこと予定もしてないよ。

どうして私が狙われた?

あの女のひとは道明寺と結婚したくて私が邪魔だったとか?

それは今までもよく巻き込まれたトラブル。

でもまだ正式には結婚の発表もしてないのに?

以前愛人くらい認めますなんて道明寺の前で宣言したアホなお嬢様を思い出すけど・・・。

私の存在って、お金持ちのお嬢様にとってはそんなものくらいじゃないの?

あのときも相当道明寺はぶちぎれて、そのお嬢様の会社とはすべて取引をやめたと言っていたはずだ。

「大事なものを奪うって脅迫されたみたいだよ」

「大事なもの?」

「司にしたら一番大事なものって牧野でしょ」

「それでしばらく牧野を自分から遠ざけたのが今回の真相ってわけ。安心した?」

にっこりほほ笑んで照れもせず真顔の花沢類に見つめられ、ボッと一瞬でマッチを擦ったみたいに火がついた。

うなづくことも出来やしないっーの。

もう・・・

周りの音楽も何も聞こえやしない。

「牧野」

目の前には道明寺のこぼれそうな優しい笑顔。

さっきの冷酷な表情とは天国と地獄!天使と死神くらいの差だ。

「エッ!アッ!オッ!」

何言ってるのか、なにが言いたいのか、思考回路はめちゃくちゃだ。

「お前は俺が守るから」

胸元に抱きよせる様に私を捉えた道明寺の力強い腕。

胸の中に全身を押し込める様に抱きしめられて身動きが取れなくなった。

 

-From 2 -

「オイ、こんなとこでガッつくな」

ちょんちょんと指で肩を総二郎に突かれる。

邪魔すんなと視線を後ろに送る。

「あの女まだ見てるぞ」

あきらに耳打ちされた。

もう見る気もおきねえよ。

「放っておけ、今日は何も仕掛けられないだろう」

すげー形相、蛇みたいに陰湿だどあきらが表現した。

「道明寺と婚約したと噂を流した女は罵倒され、そして司は牧野を抱きしめてる。」

まあこれだけ恥をかかされればなと総二郎が苦笑気味に声を漏らす。

「憎悪を煽っただけにならなければいいけど」

女が居なくなったとつぶやいた類が付け加えた。

「俺達4人がいればどうにでもなるでしょう」

「俺が手を打つからプロの暗殺者なんて雇うことはできないと思うけど」

「プロってホントにいるのか?」

「ああ」

当たり前の様にあきらが答える。

そっちの方が情報をつかむのも阻止するのも楽なんだけどねぇなんて溜息つきやがった。

「なあ・・・あの女よりも牧野の方が危なそうだけど」

なんだ?

類の声につられるように牧野に視線を移す。

「目をまわしてんじゃねぇ?」

「大丈夫か?」

俺の肩越しに牧野を覗き込む好奇の6つの目。

ゆっくりと牧野の頭が後ろ向きに折れた。

「おい!牧野」

牧野の体重が俺の両腕にかかる。

「司、お前力入れすぎじゃねぇ?」

「手加減なしだと辛いぞ」

両腕だけで失神させるってレスラーなみ?いやクマだろう?って・・・

分析すんなーーーーー。

牧野のほっぺを軽く叩いてわずかに苦しそうにしかめる表情。

ゆっくりと伏せた睫毛が動いて漆黒の大きな瞳の中に俺が映し出される。

「あっ・・・ごめん大丈夫だから」

俺の手を借りて倒れかけていた身体をゆっくりと元にもどした。

今度は俺も3割程度の力で牧野の腰を支えてる。

このドレスで胸を締め付けれて苦しくてと指を胸元に隙間に入れ込んで牧野がフーと息を吐く

胸・・・見えるぞ!

「覗き込むなッ」

「見えただけだろがっ」

どうせ後でしっかり見てやるよ。

「変なこと考えてるでしょう!」

疑い深そうな疑惑の目に変わりやがった。

訝しそうな顔を作るな。

「らしくなったじゃん」

類がククッと喉を鳴らす。

「司、しょうがねえからこれやるよ」

目の前にはカードキー。

6010と数字の印字が打ってある。

どうみてもホテルの部屋番号。

このホテルのだよな?

「使う相手も見つからなさそうだからやるわ」

くるっと会場を見渡してカードキーを胸元のポケットに押し込んでくれた。

相変わらず用意周到なのはあきらだよな。

「わりぃな」

緩む頬。

そのまんまの顔を牧野に向ける。

俺達の会話を聞いていないはずはない。

ぶっ倒れそうなくらい頭の先まで蒸気が立ち上っている。

完全に茹で上がってる牧野がいた。

続きは  で

拍手コメント返礼

しずか様

久々の冷淡な道明寺です。

わ~再放送やってるんですね。

いいな~ってDVD持ってるんですけどそう思ってしまうのはなぜでしょう(笑)

どうやってつくしを守るのか?

監禁、祖語と中も離さない!また秘書させる?

話が「ないしょ~」の戻りそうだ~

はなはなうしし様

御ほめのことがありがとうございます。

まだまだ不十分な駄文ですが、すばらしい文才と褒めていただけるなんて

励みになります。

続きを田も死んでもらえればうれしい限りです。

こう様

本来司に我慢なんて言葉は辞書にないはずなのですが、

拙宅の坊ちゃんはつくしに我慢をを強いられっぱなしでかわいそうでなりません。← 本当か?

女どうなるんでしょうね?

八つ裂き!宇宙のちりとなるまでF4!司に暴れてもらいますか♪

しずか様

ここからは結構甘アマになりそうで~

私の文章表現能力も使い果たしてしまった感じがして時間を食っています。

さっさと終わらせて早く事件解決に取り掛からないと~なんて思っています。