第14話 DOUBT!! 10
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遠く離れ離れの遠距離も経験した。
あいつの旅立ちを空港で泣きながら見送った日。
やっと二人の気持ちが結びあったつかの間の瞬間が宝物だった。
毎日やってくる夜に一人であいつを思い続けてる辛さも知っている。
長い思いの末にプロポーズされてつながった想い。
息苦しいほどの喜びも経験したはずなのに・・・
いつでも聞けるはずの声も・・・
突然強引に私を引き寄せる腕も・・・
いつでも側にあると思っていた。
会えないときよりも、いつも会えるはずなのに会えないほうがつらいなんて知らなかった。
もうニ度とこんな淋しい想いはイヤだと胸の奥が悲鳴を上げる。
もうニ度と道明寺に無視なんかさせないんだからとあいつの胸の中に顔を埋めて眠った夜。
だからって・・・
突然!
これは困るつーのぉぉぉぉぉぉ!
警護されて向かった先は道明寺のお屋敷とは全くの別方向だった。
高層ビルの地下駐車場に吸い込まれる3台の車。
エレベーターのすぐ横に停車した車から先に降りた道明寺に手を引かれる。
「ここ・・・・どこ?」
「マンション」
「マンション?誰の?」
「お前の」
「ふぅん~、私のなんだ・・・」
「えーーーーーッ」
チョコレート一つをポンと私に投げ渡した様な道明寺の態度。
私は驚きのまんま言葉も無くしてエレベーターに乗せられていく。
「ここの方が人の出入りが少なくて済むし、守りやすいからな」
守りやすいからって理由でマンション提供?
どうみてもセキュリティー万全の億ションで、床の代理石は鏡みたいに姿を映すくらい磨き抜かれている。
このまま靴で歩いていいのかと素足になりそうになった。
奥まった部屋のドアの前に立つ道明寺。
「鍵は手の血管を読み取るから、それに声紋の2重になってる」
血管?声紋?
ここはNASAか?
鍵の代わりに道明寺が手のひらをドアノブの下にあてる。
「俺様だ」
その声で「カッチャ」と鍵の開く音。
ドアが開いた。
「お前も登録な」
私の右手をとって読みとる機械の画面を道明寺が操作する。
「後はお前の声」
道明寺好きでも愛してるでもいいぞって・・・
そんなの登録できるか!
「ただいま」
一番まともだと思える声を登録して終わった。
つまんねって表情で舌打ちの道明寺。
「道明寺が愛してるに変えたら登録し直してもいいよ」
「そうかぁ」
うれしそうに指で画面に触る道明寺。
「冗談!」
慌ててその手を画面からはがした。
その手を引っ張る様に開いたドアから部屋に入る。
「こ・・こ・・・こ・・・」
「いつからニワトリになった」
バカにした様な顔で道明寺がニンマリとなった。
「この・・・部屋・・・」
「おっ!お前ンだ」
お前んだって・・・開いた口がますます閉まらなくなった。
リビングだけで何十畳だ?
ここだけでうちの家がすっぽり入る。
革張りのソファーに大型液晶テレビ。
窓から見下ろす地上の光も眩い。
ソファーには踏ん反り返って座る道明寺。
落ち着けるわけがない。
道明寺の屋敷なら過ごしたことがあるから大丈夫だと思っていたのにッ!
「ここ・・・私だけで住むの?」
戸惑いを張り付けたままの表情で道明寺を眺めた。
「んなわけねえだろう。俺も住む」
自信満々、意欲的な表情を見せてるよ。
やっぱり・・・そう?
別な意味での緊張が背中に走った。
いや~やっと更新できました♪
戦いはこれから!
いったいなんの戦いだぁぁぁぁぁと叫んでるのはつくしチャンかも・・・
ご愁傷様です。
つづきのUPは年明けでまでお待ちくださいね。
良いお年を♪
拍手コメント返礼
まみっぺ様
コメントありがとうございます。
PW無事に届いたようで良かったです。
なんらかの形でこうしてご連絡いただけるうれしいものです。
これからもよろしくお願いします。