大人になるために 5

祝!つくし成人式のお話の第5弾です。

派手な成人式!

って・・・どんなの?

いろいろ浮かんでは消えていく私の頭の中♪

どうすんべ。

成人式の前にまずは1場面追加です。

 *

『成人式の振り袖は準備できた。

当日は俺んチで全部準備してやるから朝8時に迎えの車をやる』

道明寺から届いた成人式3日前の写真の添付付きメール。

黒い生地に赤の模様があしらってある振り袖の写真。

けどいまいち良く分からない。

着物自体の価値なんて元からテンデ知識はないんだけど高いのは数千万もする物があるとは聞いたことがある。

いったい誰が買うんだそんな着物?

この着物も高そうに見えるのは道明寺の準備してくれたものだからだろうか。

「よさそうな着物ね」

肩越しに携帯を覗き込むママ。

携帯を盗み見するなんてママらしくない。

・・・が、携帯を握りしめて「ゲェーーーッ」て大声を上げればママじゃなくても気になるはずだ。

「分かるの?」

「桁が一つは違うわね」

「1つって・・・着物に何百万て事!」

「当たり前でしょう。道明寺さんからのプレゼントが安物のわけがないじゃない」

ママも道明寺ブランドで値踏みしている訳かと納得した。

本当にいくらするのだろう。

考えると怖くないりそうなのでそれの思考を止めた。

成人式当日軽く朝食を済ませて道明寺の迎えの車を待つ。

「つくし・・・」

「なにママ?」

「私も付いていっちゃダメかな?」

「んっ?」

「ほら、つくしの晴れ姿を最初から見たいしねッ」

「パパも!」

「僕も!」

左右からも上がる声。

「いいんじゃないかな」

何も考えないまま軽く返事を返した。

9時前に道明寺家に家族総出で到着。

さすがの俺様道明寺も呆けた顔で私たちを眺めてる。

発する言葉も忘れてしまったように口がぽかんと空洞を空けていた。

「道明寺さん、今回は御世話かけます。ふがいない親でッ・・うっ・・・」

片腕を目にあてて本気で涙を流してるパパ。

「・・・い・・え」

どう反応するべきか完全にもたついている道明寺に笑いがこぼれた。

まさか私の親がついてくるとは思ってもいないだろうしね。

少し驚かせすぎたのか?

案内された部屋には着物が飾ってあって、やっぱどうみても高そうだ。

すぐに髪を結いあげられてちゃくちゃくとプロの手で振り袖姿の私が出来上がっていく。

「つくし、綺麗」

着がえる前から側で見守っていたママと部屋に二人きり。

身内でも褒められると照れるものだ。

等身大の鏡の前で左右、後ろ、前と幾度も姿を映してた。

「つくし」

「なに?」

「この部屋ね結婚式の花嫁さんの控室って感じだよね」

「・・・そう?」

「これでパパがつくしみて泣き出したら完璧にパパは考えていると思うんだけね」

ママはなんだかはしゃいでる感じだ。

なにを?と疑問符を貼り付けてママに視線を投げる。

ママの返事を聞く前に部屋にパパと進がやってきた。

「パパ、お姉ちゃん綺麗だね」

「うん」

進に促される様に何度もうなずくパパ。

「そんなに見られると照れるよ」

「うっ・・・」

泣き崩れる様に膝を折って座り込むパパ。

「つくし・・・」

「パパはお前がこんなに大きくなってくれてうれしい・・・」

大きくって・・・

そこは美しいとか、しとやかとかそんな形容詞はでないものなのか?

「でも悲しい・・・」

「いずれは嫁に行くんだもんなぁ・・・」

そして腕にうつぶせる様に泣き声を上げ出すパパ。

「パパ・・・大丈夫?」

ほらママが言ったでしょみたいな感じにママに目配された。

「嫁にやれるかぁぁぁぁぁぁ!」

突然正座して膝の上に拳を作ったパパが天井を見上げて叫んだ。

「えっ!?」

叫んだパパの横で間の悪い状況でドアを開けた道明寺が茫然と固まっていた。

なんだか別な方向へ・・・

あくまでも話は成人式です。

やっぱり成人式は親子でもお祝いしないとね♪

パパとママが娘の成人を一番喜んでくれるはずですからね。

なんて考えがプカッと浮かんで牧野家も参戦させてしまいました。

さすがに式典までは司みたいに着いていかないとは思いますけどね。

拍手コメント御礼

b-moka

父親にとって娘の成長って淋しい一面あるみたいですよね。

子供はそんなこと屁とも思っちゃいないでしょうけどね。

出かけるまでになにか?ですか?

わぁぁぁぁぁなかなか式場に行きつかない(^_^;)