大人になるために 6

祝!つくし成人式のお話の第6弾です。

つくしパパの衝撃発言!

司の反応は・・・

全く成人式に関係ない気がしますが、面白ければいいとの単なる作者の独りよがりであります。

お付き合い願えればうれしいかな(^_^;)。

 *

「嫁にやれるかぁぁぁぁぁぁ!」

牧野のおやじさんの言葉が俺の左右の耳の中でゴ~ンと鐘を鳴らすみたいに響いてる。

嫁って・・・

牧野のことだよな?

やれるかって・・・

俺と牧野は結婚できねぇってことか?

その前にも大事な男女の成り合いって重要な課題もあんだけど・・・。

次々に問題を付き付けんなよッ。

「嫁って・・・何を言いだすのよパパ!」

牧野がまんまるに目を見開いておやじさんに詰め寄った。

そうだよな。

俺以上にお前もびっくり、ドッキリだよな。

「今すぐ結婚が出来るわけないじゃない、お嫁になんて行かないから!」

「それ今日は単なる成人式だよ」

牧野・・・

それっておやじさんより酷でぇぞッ!

お嫁に行かないってなんだ!

そんな言い草あるのかよ。

全部俺のこと拒否されてる気になってきた。

「二人ともなに言ってるのよ。道明寺さんがびっくりしてるじゃない」

牧野のおふくろさんだけがなんでもない様にケラケラと笑っている。

たぶん今の俺は・・・

びっくりしてるどころか泡でも吹きかねない情けない顔になってると思う。

「つくしが結婚するまでまだ2年はあるんだからそれまでにパパもしっかり覚悟を決めときなさい」

座り込んでいたおやじさんに手を差し伸べたおふくろさんが立ち上がらせた。

「あとはお願いしますね」とにっこりほほ笑んだおふくろさん。

そのお袋さんと弟がおやじさんを脇から抱えて慰めるように部屋から連れ出した。

俺のお袋とは違う意味で牧野のお袋さんも貫禄あるもんだと感心する。

後に残されたのは自信喪失気味の俺と日ごろ見慣れてねぇ牧野の姿。

気まずさに横柄な態度しか取れねぇガキの俺。

「嫁にいかないってなんだ?」

「まだ、結婚するわけじゃないでしょう」

きょとんとした無邪気な顔がほほ笑む。

髪を結いあげて首筋にかかるおくれ毛にうなじの白さが強調されてやけに色っぽい。

それ以上まともに見られねぇくらいにドキッとなった。

「似合ってんぞ」

視線を外してわざとそっぽを向く俺。

「えっ?」

「着物・・・」

「あっ、ありがとう。いろいろ準備してくれて・・・」

心の底では牧野を見ていたくてしょうがない。

それで、チラ見って・・・

本当にガキじゃねぇか。

照れくさそうにほほ笑んで頬がほんのりと赤く色ずく。

ったく・・・

なんでこんな煽る様な表情しか見せねぇんだ。

今日1日、俺は理性が保てるのだろうか?

自信ねぇーーーーッ。

総二郎にあきらに、類!

呼んでおいて正解かもしれない。

あいつらが防波堤みたいなもんかも。

牧野を見つめていたいのに視線を逸らしてしまう俺はバカみたいに純情だ。

今さらながら鮮明に思い出す重ねた素肌の温もりと快楽。

溺れそうだ。

これ以上煽るな!

叫びたい衝動をグッとこらえる。

数分後、やっとあいつらが現れた。

やっとこれから成人式♪

行くのかな?(^_^;)