大人になるために 8
祝!つくし成人式のお話の第8弾です。
とうとうこのお話も8話まで来てしまいました。
はぁ・・・いつ終わるのだろう(^_^;)
F4にエスコートの成人式うらやましいと思っているのはつくし以外というところでしょうか?
*振り袖姿のあでやかな女性達。
スーツに着られてるような男性陣。
皆見覚えのある顔で・・・
って・・・中学校の同級生だから当たり前だ。
その横を通り過ぎる立派すぎるリムジン。
なんだ?みたいな驚きの顔がちらほら。
ずずっと背中を滑らせて頭を低くする。
外から車の中が見えるわけはないんだけど気分的にそうなってしまった。
「牧野・・帯が壊れる」
「大丈夫、押さえつけてないから」
背中に腕を入れてガードすることは忘れなかった。
なんだ?
私のお尻の下にすっと入り込んできた感触。
「俺が」って、お尻に下に手をいれるなぁぁぁぁ!道明寺ッ!
お尻をカバーしてどうするんだ!
それも手のひらが上を向いている。
「ヒャッ」
浮かしたお尻の下に感じる柔らかな指先。
指が変な動きをしない様に臀部に全体重をかけた。
「優紀ちゃんだ」
車の中か外を覗き込んでいた西門さんが声を上げた。
思わず腰を浮かび上げて西門さんの前を横切って窓にへばりつく。
ニヤつく道明寺なんてこの際問題じゃない!
実際はすごく恥ずかしい光景が視線の端で目撃してしまってる。
そのうれしそうな顔ッ。
自分の手を握りしめて顔をほころばすなッ。
皆のいる前でそう怒れるはずもなくグッと拳の中に恥ずかしさと怒りを同時に閉じ込めた。
「ここで降りる」
止まった車の中から運転手に開けてもらう前に飛び出した。
一刻でも早く最初に飛び出際た方が目立たないかなという浅はかな考え。
「優紀!」
「つくし!」
キャーと歓喜の声を上げて手を取り合う。
喜びを言い合いながらも優紀の視線は私から、リムジンの方へ移ってる。
「道明寺さんが送ってきてくれたの?」
「いや・・・それがそれだけじゃなくて・・・」
もう私の声なんて聞いてない様な優紀の表情。
「西門さんだ!」
飛び上がる感じに音色が黄色に変わる。
「えっ?美作さん?花沢さんも?」
「F4、勢ぞろいで引きつれてきたんだ」
「別に私が連れてきたわけじゃないもん、ついてきたんだもん」
「そんなのどっちでもいいじゃん」
「幸せだねつくしは」
なんの僻みも妬みも伴わない感情で喜んでいるのはこの幼稚園からの親友だけだ。
リムジンから最初に道明寺が降りようとした瞬間からざわつき出した会場前。
私とF4までの距離は数メートル。
近くて遠い感じに人塀で隔てられてる。
このまま会場内に入ったら4人から離れられるんじゃないかと悪魔のささやき。
「ねぇ、優紀、このまま会場にはいらない?」
「えっ!?まだ西門さんと話してないよ」
不満げな優紀にあとで一緒にお祝いしてもらえばいいじゃんなんて必死に口説き落としにかかってた。
それで済むはずは・・・
ないですよね。
捕まる前に素直に謝ろうねぇつくしチャンということで
まだお話は続きます。