大人になるために 7

祝!つくし成人式のお話の第7弾です。

F4勢ぞろいでの成人式。

さてどうなる?

これでおしまいには・・・ならなかった。(^_^;)

つくしちゃん成人おめでとう♪

と・・・

一応言っておこう。

 *

「おっ!牧野、綺麗じゃん」

美作さんはにっこりと笑みを浮かべて珍しく感嘆気味に声を上げる。

私の振り袖姿は予想以上だったのかと自信を持った。

「馬子にも衣装!」

それ褒め言葉じゃないつーの。

西門さんの言葉に一瞬うれしい顔を作って損をした気分だ。

『豚に真珠』『猫に小判』と言われないだけまだましか。

西門さんの場合は日ごろから和服美女に囲まれてるもんな。

着物への免疫があり過ぎだよね。

お茶を習ってるお嬢様集団と比べられたらたまらない。

「孫?」

私の横で道明寺が首をひねる。

それは無視した。

「成人式おめでとう。振り袖似合ってるよ」

「あっ・・・ありがとう」

私の姿をゆっくりと眺めた花沢類がほほ笑んだ。

やっぱり顔が熱くなる。

「こら!顔を赤くすんなッ」

道明寺にするなと言われても照れるのは仕方ないと思う反論なんて聞いちゃくれないよね。

道明寺が「似合ってる」と言ってくれたさっきの言葉の方が何倍もうれしいんだから!

それを面と向かって言えるほど私は素直じゃない。

エスコートしますか?」

美作さんがポンと叩いた手を合図の様にそろって歩き出す美男子集団。

「えっ?」

「みんなでついてくるの?」

当たり前という様に西門さんが笑みを浮かべる。

じょ・・・じょうだん?

冗談じゃない!

4人とも真顔だ。

そのうち二人は真顔の下に笑いを隠してる気がするけど・・・。

「俺達が見守って成人式に出るって、すげー贅沢だぞ」

美作さんに軽く肩をたたかれた。

その手を振り払う様に今度は道明寺が私の肩を抱く。

「気安く触んなッ」

相変わらずの嫉妬心を隠しもしない。

「あのさ・・・」

「すごく目立つ気がする・・・」

気がするんじゃなくて、完璧に主役の新成人をこの人たちは食うと思う。

この4人に囲まれた私って・・・

絶対注目の的だよ。

高校と大学で慣れたとはいえ今日は別格だと思う。

大学では私と道明寺との関係もオープンだったからF4と私が一緒にいても面と向かって敵視されることはなかった。

世間に出たらにどうなるんだろう?

F4っていったら半端な芸能人より顔が売れてる。

羨望を通り越した僻み、妬みは必ず私に向けられること間違いなし!

身が縮じむ思いだ。

「ねぇ・・・」

ごくりと唾を飲み込む音が耳の中に響く緊張感。

次の言葉が微妙に唇で震えてる。

「会場に私を送って、終わってからまた迎えに来るなんてことじゃダメかな」

「はははぁ・・・」

力なく作る笑顔。

「ダメだ!」

「無理!」

「意味なし!」

「一人にできるわけねぇだろう」

最後は凄みを利かせた道明寺の声。

鼓膜が破れそうで思わず目を閉じてしかめっ面になってしまった。

「俺らが4人でエスコートするなんて牧野以外にはいないぞ」

それがどんなに贅沢かは十分に承知している。

これなら素直に道明寺だけ連れて行けばよかったと後悔した。

もう遅いつーの!。

これから楽しい成人式♪

そう思っているのは・・・?