木漏れ日の下で 17
*-From 1 -
寝た様な・・・
寝なかったような・・・
そんな気分で目が覚めた。
寝返るたびに肌に感じる道明寺の温もりを確かめてた気がする。
今もわずかに前髪にかかる寝息を感じながら安心してしまってる。
私を抱きしめたまんまの腕の重さが心地よく身体にかかる。
胸の中に唇を押しつけるように顔を埋めた。
息遣いとともに聞こえる心音が規則的に耳に届く。
「心臓がもたねぇ」
抱きしめられて道明寺の心音がドクンと高速に響いていたのをさっきまで感じてた。
きっと私の心臓も同じぐらい高鳴ってたと思う。
このまま・・・
しばらく・・・
ベットの中で・・・
なんて甘いことは言ってられないつーの。
「仕事いかねぇー、休む」って、駄々こね出す前に態勢を整えないと日本に帰れなくなる。
そっと私の体の腕に置かれた腕を外す。
「う~ん」
寝返りを打って仰向けになる道明寺。
身体にかかるシーツがはだけて露わになる上半身。
無駄のない均整のとれた身体。
今さらながら目のやり場に困る。
肌が触れ合ってる時は何も考えられなくなるからあんまり見てない様な気もするし・・・
って!マジ見してる場合じゃなかった。
道明寺が起きる前にベットから抜け出し浴室に向かう。
時計の針は6時を少し回ったとこだ。
「ツッ・・」
身体を動かして分かる身体の痛み。
筋肉が悲鳴を挙げてる。
道明寺の残した愛撫の痕まで強引過ぎる感じに俺のもんだと主張されてるようだ。
浴室の鏡の映る皮膚の赤み。
これじゃ、ハイネックしか着れそうもない。
冬で良かったと本気で思った。
「ヒャッー」
「勝手に抜け出すなよ」
シャワーの音で浴室のドアが開いたことに気がつかなかったみたいだ。
私を捉えるみたいに後ろから交差する道明寺の左右の腕に抱きしめられている。
「いきなり胸を触んないでよ」
「俺の手に一番しっくりくるんだよな」
悪戯っぽく動く表情。
「身体を洗ってんだから邪魔しないでよ」
持っていたシャワーの先端を道明寺の顔に向けた。
「冷てー」
「おい!こらわざと水にすんな」
「頭・・・じゃなくて体冷やす必要ありそうだもんねぇ」
「つめてーやめろ!」
「キャー」
シャワーを取り合って水掛け合って、はしゃぐ声が浴室内にこだまする。
「風邪ひくぞ」
結局はシャワーは道明寺の手の中に収まってしまった。
騒ぎも収まって、浴室の中も静けさを取り戻す。
湯船の中で私たちが体の位置を変えるごとに水音だけが響く。
いつの間にか道明寺の膝の上に抱っこされる状態で収まってしまってる。
道明寺のされるがままって感じだ。
「・・・指のあと、残ったな」
両脇左右に平行に並ぶ6本のすじ状の痕。
痕はそんだけじゃないんだけど。
「手加減忘れてた」
「ごめん」
頬に触れる唇がかすかに動く。
「道明寺が謝るなんて、雪でも降るんじゃない?」
「マジで謝ってるんだけど」
「いや~骨が折れてないから全力の力じゃないでしょう」
「人をクマみたいに言うな」
「アーーーッ」
「仕事行きたくねぇーーーーーッ」
不安が的中!
「ダメだからね!」
ギョッとなったまま道明寺を見返した。
PW付きのお話とたいして変わりなかったりして。
終わるはずだったお話が終わりません。
どこで終わろう。
拍手コメント返礼
b-moka様
さぁ~つくしはどうするのか?
それとも西田さんという手もありますが(^_^;)