第14話 DOUBT!!  16

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-From 1 -

「どうなってる?」

西田の報告を聞いてあきらの居場所を探し出す。

あいつがいま一番情報を掴んでるはずだから。

そいつがなかなか見つからない苛立ち。

普段なら携帯一本かければ済むはずがつながらない。

わざと避けてんじゃねぇよな。

総二郎にも類にも連絡が取れねってどうなってんだ。

一晩中うろついてやっとのんきに家でくつろぐあきらを見つけた。

その横には総二郎。

珍しく類までそろってる。

「来るの早えッ」

「まだ俺から連絡いれて30分たってねぇーぞ」

「こんなもんでしょう」

お前ら俺の質問は無視かよ。

緊張感、緊迫感張り巡らせてるの俺だけって違和感ありすぎだろうが。

「落ち着いてる場合か?」

こいつらの態度にいらつき感が半端じゃなく湧き上がる。

「あと少しの辛抱だから?」

「司に辛抱なんて出来ねえだろう」

「教えるの早すぎたかも」

お俺の知らないところで何かが動いた雰囲気。

「お俺に内緒で何企んだ」

俺抜きのこいつらの団結力は相当厄介だ。

「人聞きの悪いこというな」

「こうなったのも半分はお前のせいだからな」

「俺は何もしてねぇぞ」

吐き捨てる声にもニクニクしさがこもる。

「牧野を拉致監禁

監禁してねぇよ。

同意のもとだろうがぁ。

「厳重しすぎる保護」

SP5人は少ないくらいだぞ。

「隙がなさすぎ」

それが万全の護衛というものだろうが。

「あれじゃ、相手も手が出せねぇよ」

「俺ら長期戦につきあう時間もねえぇし、お前らの新婚ごっこにつきあう必要もない」

新婚ごっこって・・・

何で知ってんだと照れくさい笑みが漏れる。

その前の俺をバカにした様な言葉を帳消しにできそう。

「お前の監視が離れるの牧野が大学にいる時ぐらいだからな」

真顔になったあきらの顔。

「今度の誘拐はわざっとやらせたってことか?」

「良くできました」

手を叩きそうな雰囲気で答える総二郎。

「俺が知らないってどういうことだ?」

「牧野をおとりに使うって言ったら反対すんだろう」

当たり前だ。

「それにすぐ顔に出るだろうし」

「このことは牧野も知らないから」

当の本人だけがカヤの外か。

クッ・・・。

側にあった手ごろな椅子を力ごとカベにぶち当てる。

ガシャンと響く音にびくともしないやつら。

こいつらを殴れないのは牧野の危険は最悪でも最小にとどめられているはずだと理解できるからだ。

「あの女の命令聞いて道明寺に抵抗しようなんて人物はそういない」

「大学内で協力しそうな相手を見つけ出すのは簡単だった」

けどそこからがなと奥歯に物が挟まったような言い回しのあきら。

司が牧野を離さねぇからってニンマリすんなッ。

「どこに行くにもSP付きじゃ行動起こせないだろうから、行動起こせるようにSPの人数外して牧野を一人にする時間を作ってもらったの」

「牧野つきのSPを責めるなよ、しっかり護衛にはついてるはずだから」

「松川って女捕まえて牧野の誘拐した目的を聞いたら笑ったけどな」

「牧野に危害をくえるつもりがないの分かったら俺らも落ち着いて首謀者の方に全力でいけたぞ」

「今頃は日本いられねえ状態に陥ってるはずだ」

「松川って牧野をさらうのに協力した女の親の会社は手を下すまでもなくつぶれると思う」

「そこまで切羽詰まってねえと道明寺にはむかおうなんて思わないだろうからな。」

「牧野を誘拐した目的ってなんだ?」

危害を加えようとしないならほかにどんな意味がある?

「牧野が男と一晩一緒んにいたとしたら司どうする?」

「その男ぶっ殺す」

「「「だよなぁ~」」」」

一斉にハモってあがる声。

気楽に返事するなッ。

そいつが一番の危害じゃねーか。

俺、正気じゃいらねぇッ。

考えただけでブルブルと全身が怒りに震えだす。

「誘拐したやつらは司が牧野に愛想を尽かすと思ってたみたいだぜ」

んなことあるわけねーだろう。

まて・・・

ってことは牧野は俺の知らない男と一晩一緒にいたということなのか?

「バカ野郎、早くそれを言え」

「牧野に何かあったらどうすんだ」

「だからそれはない様にしっかり管理してるって」

どうどうって俺は馬じゃねぇ。

「牧野がいる場所に連れていけ!」

「早くしろ!」

あいつらの返事を聞く暇もないくらいに部屋を飛び出していた。

続きまだですか~の催促の声。

すいません。

そろそろ終わりなのでゆっくりと進めています。

更新がのんびりなのもたまにはいいものかと思っています。