木漏れ日の下で 23
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午前5時。
目の前に置かれた仕事の山は7合目付近。
サインを記入し終わった書類を右にポンと置いて目の前の新しい書類を開く。
3日分の仕事の量を1日、いや、半日でこなせってどこまで煽られてるんだか。
そそのかす !
たきつける !
けしかける !
西田に加えてつくしにまで参戦されたら・・・
刺激する!
駆り立てる!
挑発する!
否応なしに加わってきて、やるに決まってる。
まるで馬車馬だ。
ロスについたら覚悟しろ!
頭の中でほほ笑むつくしに宣言した。
ん?
この書類・・・
「西田!」
「はい」
「この書類はなんだ?」
「もうここまで終わりましたか?」
澄ました表情のまま響く落ち着きはらった声。
「今、終わらせなくてもいい仕事じゃないのか?」
残りの書類すべてをパラパラとめくり西田にたしかめる。
「仕事は少なく見せるより多く見せたほうが効率は上がるかと思いまして」
「この時間で終わるとはさすがです」
腕時計を確かめて視線を書類の方に西田が移す。
「10時の飛行機を手配しておきました」
昼過ぎまで仕事とと見せかけて西田の計算通りに俺は仕事を終わらせたらしい。
相変わらず抜け目ねぇやつ。
おかげで思ったより早くつくしのもとへ行けそうだと軽くなる心。
西田に感謝しねぇとな。
「世話かけたな」
部屋を出ていく西田の動きが一瞬止まったが、何もなかったようにそのままドアを閉めた。
あいつが照れくさそうにしてたら面白んだけどな。
空港に行く前に自宅にもどりスーツを脱いでシャワーを浴びる。
眠気を覚ますのに丁度いい水圧。
ラフな格好で迎えの車に乗り込んだ。
ネクタイ絞めてスーツ着こんで空港に向かったら仕事させられるんじゃないかと疑ってる俺。
道明寺の代表の役からはしばらく離れたい。
ファーストクラスの席に案内されるまで気を抜かないように身構える。
どこまで西田を信用してないのか。
西田の抜け目のない判断力は時として脅威だ。
西田に感謝していた俺はどこ行った?
何も言わない西田に安心したようにシートに身を沈めた。
「それでは私は向こうの席で・・・」
「24時間仕事なしだからな」
頭を下げて立ち去ろうとする西田にかけるぶっきらぼうな声。
「1日でいいんですか?」
1日・・・
1日以上休みあるのか?
寝言じゃねぇよな?
ドキッとなる。
西田見てドキッとするなんて前代未聞。
誰にも言えねぇーーーーーッ。
「72時間は確保してますが?」
西田ーーーーー。
お前は最高だ!
思わず抱きつきたくなった。
拍手コメント返礼
RICO様
利用できるものは最大限に利用するすご腕秘書の西田さん。
ロスでの鍵も西田さんが握ってかも?
いえいえ椿お姉さまか?(^_^;)
hanairo様
西田さんの手腕でロスまで行きつきましたが72時間しっかり甘~く過ごせるかは司クンにかかってます。