木漏れ日の下で 25

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-From 1 -

再会から数時間後。

数時間で集まる招待客。

短時間で準備したパーティーじゃない雰囲気。

いろんな人種が紛れてる。

さすがはアメリカ。

お姉さんに着せ替え人形の気分で飾られた。

「もう司のせいで限られる」

恥ずかしくなるお姉さんの愚痴。

会場ではななればなれの二人。

私の横にはお姉さん。

「紹介するから」って、女性の招待客の間を次々に蜂蜜を求める蝶の様に飛びまわる。

私を紹介しながらすこぶる機嫌よいお姉さん。

ぎこちない笑顔を浮かベながらなんとか私はあいさつを交わす。

道明寺は「コンタクトをとれなくて困っていました」と仕事がらみの人物に接触するようにと西田さんに連れていかれてしまった。

渋い顔のまま私のそばから離れて30分は経過している。

会話の端々、全部聞きとるには未熟な英語力。

それでもなんだか子供扱いされてるような二アンス。

笑顔で声をかけてきた一人の男性。

と言うよりも少年?

「年上ばかりでつまらないと思ってた」

「君みたいな若い子がいて助かった」

そんなことを言っていると何となくわかる英語。

私の横でお姉さんは楽しそうにクスクス笑ってる。

「つくしちゃん、若く見られていいわね」

この状況でそれは褒め言葉の分類には入らないと思う。

「義妹をよろしく」なんて言ってお姉さんはにこやかに私から数メートルの距離を置く様に離れた。

「お・・・お姉さん!」

さすがに数歩追いかけた先で「まさか司も子供に文句言わないわよ」って・・・

本当か?

微妙に自信がない。

「きみかわいいね」

17歳と言った高校生に言われても複雑な心境だ。

ありがとうとお礼を言ってもいいべきものだろうか。

わずかに作るぎこちない笑顔だけを向けた。

私に聞き取りやすい様にゆっくりと発音する流暢な英語。

母国語なら当たり前だけど。

身ぶり手ぶりを交えてくれるおかげで何となく会話がつながる。

優しく気を使ってくれる少年に警戒心が解きほぐされる。

確かにお姉さんに紹介された人たちと話すよりは楽しそうだ。

柔らかそうな褐色の髪。

前髪を軽くかきあげた額の下に清純そうなグレーがかった瞳。

白人特有のバーツが綺麗に並ぶ。

女の子に不自由しそうもないタイプ。

ここに招待されてるくらいだからこの子もいいところのお坊ちゃんに違いない。

年齢的には進よりも年下。

でもスマートに洗練された仕草はさすがに良家のお坊ちゃん。

進のほうが断然に幼く思える。

私と6つ違いかぁ・・・

そう考えたら気が楽になってきた。

私は何歳に思われてるのだろう。

「I am on the age from you」

年上と言ったらきょとんとなった顔が爆笑して「I am younger than you 」と訂正された。

これ以上ムキになる方が子供じみてると訂正をあきらめる。

ジュースで乾杯しながら弾む会話。

私の英語力だから簡単な日常会話しかできないんだけど。

道明寺が側にいない寂しさも少しづつ気がまぎれていた。

「ねぇ?どう?」

どうと言われてもその前の質問が聞き取れてない

「へ?」

「YES?NO?」

「YES?」

やったーと言う様に感情を露わに喜ぶ少年、ジム君。

返事したわけじゃなかったんだけど・・・

そのうれしそうに喜ぶ顔に何となく違うと言えない。

困惑と戸惑いを顔にのせたままジム君を見つめてる。

私・・・

どんな問いかけに「YES」と言ったことになるのだろうか・・・。

まあ大丈夫だろうと楽天的な性格の方が先に顔を出してしまってた。

大人の男性がつくしの側にいたら司の反応は決まってるけど。

年下ならどうなるんでしょう?

反応は一緒でしょうけどねぇ♪

拍手コメント返礼

しずか様

年下関係ないですよね。

つくしに近づく男というのが問題の前提なんですからね。