St. Valentine's Day 2(司 20years)
*突然・・・
塞がれた唇。
優しく頬に触れる指先が顔を持ち上げる。
そして角度を変えるキス。
突然でもないか・・・。
この態勢がくれば道明寺がなにを欲しているかわかりすぎる慣れ合い。
これ以上深まりたくなくてギシッと歯に力を入れた。
躊躇なく差し込まれてきた舌先をしっかりとガードする。
この拠点を突破されたら・・・
なすがままにされるの・・・
分かり切っているから・・・。
「おい!」
「こら!」
「ンッ?」
薄目を開けて見上げる。
整い過ぎた顔が目の前でわずかに歪む。
「おまえ、俺を拒否するのか?」
今度は愁い気味の表情をつくる。
そのまま見入ると危ない!
視線を真上から下方へ修正。
私の動きにつられる様に道明寺の頭が動く。
覗き込む道明寺の顔が私の顔の下で「この態勢・・・キッ」と笑った。
「腰を痛めたらお前のせいだからな」
冗談とも本気とも取れる様な感じにゆがめた腰をスリスリと道明寺が手の平でなでて腰を伸ばす様な仕草を加える。
「別な意味で腰を痛めるかも知れねぇけどなッ」
えっ・・・
あ!
おっ!
その声に押される様にズルズルと背中がカベを伝いながら床に座り込む。
目の前に降りてきた悪戯っぽい顔がそのまま私の視界を遮る。
言葉を発するのを忘れて小さく開いていた唇はなんなく道明寺の甘いキスの侵入を受け入れてしまってた。
ゆっくりと離れる互いの唇。
磁石のプラスとマイナスの様に離れがたい。
すぐにまた吸い寄せられたい感覚を振り切る。
「・・・チョコ・・・上げ・・・たいん・・・だけど」
とぎれとぎれの息使いの中でか細くなる声が甘い声色に変わってる。
「チョコよりもっと甘いものが欲しい」
私を押し倒し気味に道明寺が少しづつ身体の体重を私の上に移動させるように動いてきた。
ひんやりと床の冷たさが上がり気味の体温をわずかに奪う。
暖炉の火が赤々と燃えて炭に変わった薪がカタンと音を立てて崩れ落ちるのを視線の中に捕えた。
「ねぇ・・・」
「黙れ・・・」
「ここ・・・ベットないよね?」
押し倒された身体の上の道明寺の力がわずかに緩んでじっと私を見つめる視線とぶつかった。
このあとどうするのかなぁ~
ドS倶楽部の皆様どちらにも転びそうな展開ですが(^_^;)
PASS付き書きたい様な・・・
蛇の生転がしで行きたい様な・・・。
以前のお話と少しのずれくらいあっても問題ないかと気持ちも生まれています。