white day side story 3
*楽天的すぎる。
もし・・・
万が一・・・
妊娠!ってことになったらどうなる?
あいつの方はどうもなんないだろうけど。
生活も体系も極端に影響が出てしまうのは私だ。
「結婚すればいい」
うれしいけどうれしくない、その言葉。
「しばらく会えないからねッ」
捨て台詞を残してあいつの部屋を飛び出した。
家にいても・・・
大学にいても・・・
バイトしてても頭の中の定位置にドカンとその悩みだけが持続中。
3日ぶりに待ち伏せ気味の道明寺と顔を合わせる。
「どうだ体調?」
少しはこの人も心配してくれてるのだろうか?
「もし、出来てたら急がねぇとな」
やけに明るく響く声。
「な・・・何を?」
「何って、結婚だろう?」
「もしそうなったらお腹が膨れる前に式をあげたほうがいいって西田がな言っていた」
「に!西田!」
あんぐりあいた口を閉じるのに数秒の格闘。
「西田さんに喋ったの!?」
「いろいろ俺のスケジュール調整するのはあいつだからな」
自慢そうな表情。
意味が分からない。
「まだしてるかどうかもはっきりしてないのに?」
「先を見通すことも大事だろうが」
「まだ確定じゃねえとは付け加えて言っといたから、何とでもなる」
何とかなるって言うより西田さんに喋られた私の恥ずかしさは半端じゃないぞ。
いかにもやりました!
そう報告された気分。
「はっきりしてからでも遅くないわよッ!」
「何考えてるのーーーーーッ」
「心配するな」
能天気すぎる。
どうして仕事での冷静沈着さが私との出来事の中には生かされないのか・・・
悲しくなる。
「それより、ホワイトデーどうする?」
ここでホワイトデーの話題になぜ切り替えられるのか。
頭の中に浮かぶ『Why?』の文字。
「ホワイトデーの気分じゃないわよ」
「俺のプレゼントいらねぇの?」
お返しが子供ならすげーと冗談みたいに言っていたのはどこの誰だつーの!
「いらないから」
「はぁ?」
「いらないって言ってんの!」
「お返し、俺って決めてたんだけどな」
なおさらいらない。
「で・・・出来るわけないでしょ!」
「なんで?」
「に・・・妊娠してたら無理に決まってるでしょう」
「妊娠してなくてもそのへん危なそうだからやだ」
「そうなのか?」
「・・・たぶん」
「すぐできないのか?」
あまりに露骨に表現して落胆を見せるなぁーーーーッ。
「妊娠してない方がいいな」
いきなりの方向転換。
私が妊娠してるかもしれないって不安で押しつぶされそうなときに道明寺の頭の中は別なことで思案中。
うっ・・・
違いすぎる。
「ニ度とやんない!」
思い切り道明寺の足元を踏んづけた。
分岐した最初は本編と対照的に甘アマな展開を想定していたはずが・・・
なぜかこんなパターン。
司ごめんよ~ ← 一応・・・謝っておこう。