white day side story 6

 *

3月14日 言わずと知れたwhite day。

道明寺に強引に連れてこられた道明寺邸。

付いてくる私も素直だよな。

道明寺の落ち着きのなさと高めのテンション。

何を期待してるか分かり過ぎだ。

white dayの意味分かってる?

確かめたくなった。

「牧野」

部屋に入った途端に抱きしめられて腕の中。

「ひゃー」

悲鳴じみた声を上げてしまってた。

「なんだそれ!俺が無理やり襲ってるみてえじゃねぇか」

眉間に眉を寄せて不機嫌に道明寺の顔がゆがむ。

「みたいじゃなくて、襲ってるでしょう」

道明寺の機嫌に悪さなんて気にしてはいられないと非難丸出しで責める様に声を上げた。

「いきなり抱きつかないでよね」

道明寺の束縛から逃れる様に身体を・・・腕を・・・上下左右に揺らした。

私を逃さない様に道明寺の腕の力がギュッと詰まる。

余計に道明寺からの束縛を完璧にしてしまってる。

無駄な抵抗だったと後悔する様な心の余裕はどこにもない。

「あのな、お前を抱きしめるの久しぶりなんだからおとなしくしろ」

おとなしくできるかぁぁぁぁぁぁ。

「あのねぇ、ホワイトディはバレンタインのお返しだよ?」

「知ってるよ」

にこやかに機嫌よく上向きの声。

「お返しは俺、なんて言うつもりじゃないでしょうね」

訝しげな視線を道明寺にそのまま投げた。

「なんで知ってんだ」

驚く声とともに私を束縛する両腕の力が緩んだ。

本気でそう思っていたなんて驚きを通り越してあきれる。

腕が緩んだ瞬間を無駄にするほど馬鹿じゃない。

身体にまわされた腕を振りほどく様に道明寺の腕の中から逃げだした。

「いらないから」

全身で必死に否定する態度を見せる。

「俺がやるって言ってるんだからやる」

やる・・・って・・・。

そのまんま!?

顔が強張ったまんま意気揚々気味の道明寺をニ度見した。

「ぎゃーーー」

抱きかかえられて運ばれるベット。

「もうちょっと、ほら、タイミングがねっ」

上向きに置かれた私の身体の上には四つん這い気味の道明寺。

ベットの上で仰向けのままの身体。

無駄な抵抗だと思いながら逃げ道を探して枕元にずり上がる。

コツンと身体が壁に当たって逃げ場をなくした。

「知ってるか?」

頬笑みの気配すらない真剣な表情。

私を見据える黒色の瞳は熱く熱を帯びて見つめてる。

「なっ・・・なにを?」

思わずピクッと肩が震えた。

「男の部屋に一緒に来たらそれはOKの印だってこと」

「誰に聞いたのよーーーッ」

我ながら馬鹿げた質問が口を飛び出した。

部屋に来たって言っても今までも道明寺の部屋には覚えきれないぐらい来てるじゃないかぁぁぁぁぁ。

押し倒されたのはこれが初めてじゃないけど・・・。

全部未遂で終わってる。

「総二郎」

覆いかぶさる様にして動いた道明寺に唇を塞がれた。

深く合わせられた唇から熱い吐息が漏れる。

嫌だと言おうとして開いた唇から道明寺の舌先が入り込んできた。

抵抗しようとする暇さえ与えようとしない、強引なのに優しい愛撫。

自然と身体から力が抜けおちる。

「・・・ンッ」

「・・・・・ヤ・・・ダッ・・・」

「・・・・・・」

観念した。

遅くなりましたがwhite dayの完結です。

もう一方のお話では散々でしたから、こちらでは・・・

あちらでは折れましたからね~~~。← 何が?

それはきっと心♪

春休み最初の日から何をUPしてるんだか