HAPPY LIFE 28

 *

とぎれとぎれに流れていた時間がつながった瞬間に幸せだと思えた。

一緒にいることがあたりまで静かに流れる穏やかな日々に浸りきっている。

つくしと一緒になって駿が生まれて紡ぐ時間。

それが一番大切なんだと思える。

だから頑張れるんだ。

お前らの笑顔を見るために。

当たり前つーか平凡なこと考えらる様になったもんだ。

「かぁぇり」

拙い声の出迎え。

1日会わないだけで以前は誰だ?って泣きそうな顔になっていた。

今は泣かれる心配もなくなった。

「駿」

膝を付いて両手を広げて抱き付いてくるのを待つ。

ドンと勢いよく体当たり気味の駿。

すっぽりと包んだ90㎝にも満たない小さな体を抱きしめる。

「おっ!少し重くなったな」

抱き抱えた駿を両手で頭の上まで持ちあげる。

目の前の小さな顔がこぼれる様な愛らしい笑顔になった。

「3日じゃそんなに変わんないでしょう」

目の前で同じような満点の笑みを浮かべるつくし。

「でもしっかりかぁぇりはわかったぞ」

つくししか理解できなかった言葉も人間の言葉になってきた駿。

随分俺も理解できるようになってきた。

「しゃい」がいくつもの意味を持っていて区別が付かなかった3日前。

行ってらっしゃい・お帰りなさい・ごめんなさい。

この前までこの3つは「しゃい」だったのだから成長してるだろう。

体重の重さには関係ないけどな。

実際に出張なんて行きたくねぇ。

そんなわがままも言えなくなった。

会えないと会いたくなる気持ちも今は2倍。

写真立てを眺めて、携帯で声聞いて満足するすべも覚えた。

「パパが帰って来るって言ったら眠たいの必死で我慢してたんだよ」

「待ってたの駿だけか?」

駿を片手で抱いて空いた腕はつくしの細い肩を抱く。

鼻先に触れる柔らかい髪。

存在を確かめる様につくしの香りを吸い込んだ。

「・・・淋しかったかな」

照れくさそうな表情でクスッと小さく笑う。

以前とするとこいつも少しは素直になった。

周りを気にせず俺に抱きつくまでの行動はとりそうもない。

それはもう諦めた。

しょうがないからいつも俺から抱きつく。

今は肩腕しか空いてないからこの程度で我慢する。

「駿!寝ていいぞ」

「そんな簡単に寝るわけないじゃない」

俺の気持ちに気が付いたみたいに染まる頬。

「寝るの我慢してたんだろう?」

「司に会ったから興奮してるみたいだけど」

俺とつくしを見比べてキャキャっと声を上げている小さな邪魔もの。

寝そうもねぇ。

「着替えてきたら」

俺の気をそらそうとするかのようなつくしの声。

「その間に寝かしつけるから」

駿を俺から取り上げつくしが抱き上げた。

それは・・・

期待してもいいってことか?

暗黙の了解ってやつ?

返事のないままに寝室へと消えていく二人。

俺とつくしのはずはなく消えていくのはつくしと駿。

おとなしく見送った。

そのまま駿と寝入ってしまうつくしの図・・・。

思わず指を折って数える。

1・・2・・・3・・・。

片手じゃ足らない。

期待しないでおこう。

俺も随分と丸くなったものだ。

司クンにご褒美を♪

う~ん~

そろそろ2人目ご懐妊のパターンも考えてはいるんですが・・・(^_^;)

拍手コメント返礼

mimi様

2人目は双子!?

ますます忙しくなりそうですねつくしちゃん。

司の相手なんて出来なくなるでしょうね♪

なおピン様

こちらこそいつもコメントありがとうございます。

楽しく読ませていただいております。

2人目もそろそろいい時期ですよね。

つくしちゃんの職場復帰はいつになるのでしょうか?

それよりも気になるのは2人目ですよね。

しずか様

二人目はどっちでしょう?

駿君登場に際してはアンケートで性別も名前も決めさせてもらいました。

今度もアンケート作ろうかな~

思ったらすぐに実行!?

やまちゃん様

司のパパぶりもイタについてきというところでしょうか?

F3はこのお話ではあまり登場してませんものね。

どうしてるんだろ?

別なお話で関連付けて書いてみたいですね。

どんな設定で書こうかな(*^_^*)

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