幸せの1歩手前 23

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まだ・・・二人でいるところを見られなかっただけましか・・・。

グダーッと手を伸ばしたままデスクの上に顔を押しつけた。

はぁー

吐いた息が生温かく頬に反射する。

一緒に来なければお呼びかかかる。

一緒に来れば気が抜けない。

どっちがましなんだろう。

この頃は会社で顔を合わせる機会は減っているからまだましと言える。

人間ポジティブに考えなきゃダメだ!って・・・。

道明寺のことを考えて落ち込む必要はないわけで・・・。

嫌なわけじゃなく・・・。

一緒にいるのはうれしいことで・・・。

まあ好きなんだけど・・・。

タダつかれるだけだ。

「ねぇ、聞いている?」

肩にポンと置かれた玲子さんの手のひらを眺めながら「聞いています」と力なく答える。

「大丈夫?熱あるんじゃない?」

エレベーターの中の出来事が体温上昇の原因だと言えるはずがない。

今は落ち着いているはずだ。

「知恵熱でもでた?」

「私をいくつだと思っているんですか?」

横からニョキッと顔を出した甲斐さんを軽く睨む。

「やることいっぱいで、頭が追いつかないだけですから」

「俺、そんなに仕事させてないだろう」

「甲斐さんには簡単でも私にはまだ大変なんですからね。昨日も書類の見直しに夜中までかかったんですから」

すべての発端は甲斐さんだと責任を転嫁出来きないものだろうか。

「家ではゆっくりさせてやらないと代表の機嫌悪くなるかもね」

「冗談はよしてください」

楽しそうな玲子さんとは対照的に焦る甲斐さん。

「案外つくしが俺の相手してくれないのは甲斐の所為か!て、代表が怒鳴りこんでくるかも」

「相手させられてますからご心配なく」

呟いた自分の声にハッとして口をふさいだ。

「ごちそうさま」

クスッと耳元で聞こえる玲子さんの声。

耳まで真っ赤になリそうな顔を隠す様にデスクに両ひじをついて顔を覆う。

しばらくは上げられそうもない。

屋敷で道明寺の相手をしないで済む方法。

先に寝る。

無理やり起こされたことがあった。

ケンカして無視してふて寝。

機嫌の悪い道明寺が出来上がったらやばい。

始まっちゃった~。

月に1度の安息日

これなら数日はもつ。

本当に始まったらまだ終わらないで済みそうだし。

・・・・・て。

今月は冗談抜きでそろそろなんだけど。

頭の中に1カ月のカレンダーをおいて赤くマルをつけてみた。

1・・・2・・・3・4・・・。

を―ッ。

声にならない雄叫びを上げる。

頭の中だけじゃ足らなくて目の前で指を折る。

1.2.3.4.って・・・。

これって遅れているってこと?

焦ってもう一度指を折る。

今のとこ5日くらいかな?

呑気に数えている場合じゃない

今まで生理がそんなに遅れたことは・・・ない。

生理が止まる原因は知ってるいし、やってるし・・・

でもまだ少し遅れているだけだしね

確信は80%かな?

もう少し様子を見ようと心を落ち着ける。

これで本当にしばらく道明寺の相手は出来そうもなくなった。

ここから HAPPY LIFE1につながっていきます♪

あ~何とかつながった。

これにておしまい

拍手コメント返礼

けい様

本当に久々ですね。最近昼間会えませんものね。

拍手ありがとうございます♪

結局駿君誕生の瞬間はベールに包まれたまま♪

って・・・関心はそこですか?(笑)

ナイショでの職場場面結構好きなんですよね私も~。

また書けたらうれしかも♪。